医療的ケア児って?
「聞いたことはあるけど具体的には知らない」という方も多いと思います。
医学の進歩を背景としてNICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、医療的ケアが日常的に必要な児童のことを医療的ケア児と呼びます。
継続的な医療行為・ケアを要するため、家族へのサポートも重要なのは言うまでもありません。
今回は医療的ケア児についてご説明していきます。
1.概要
(1)医療的ケア児って?
医療的ケア児とは、日常的に医療的なケアを必要とする子どものことです。
具体的には、人工呼吸器や胃ろう、たんの吸引、経管栄養、在宅酸素療法など、生命維持や健康管理のために継続的な医療行為が必要な18歳未満の子どもを指します。
(2)主な特徴
障害の種類: 重症心身障害、筋疾患、神経疾患、先天性疾患、染色体異常など。
ケアの内容: 医師や看護師が行うような医療行為を、家庭や学校で保護者や支援者が日常的に行う。
生活の場: 現状では在宅が中心だが、医療型障害児入所施設や短期入所(ショートステイ)を利用する場合もある。
※どうしても家族やケアを担当する人の負担が増えてしまうため、ショートステイなどを活用し、ケア担当者が息抜きできるようにすることも大切です。
※医療型障害児入所施設は空きがなく、順番待ち状態になっていることがほとんどです。申請をしても入所までに数年を要することもあります。そのため、数年後を見越して申請を行うことが求められることが多いです。
2.背景と制度
2016年の児童福祉法改正で「医療的ケア児」という言葉が法律に明記され、支援の対象として位置づけられた。
2021年には「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、相談支援や保育・教育の場での対応が強化されている。
※「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」は、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止し、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に寄与することを目的としています。
3.支援の例
訪問看護: 看護師が自宅を訪問し、ケアや家族支援を行う。
学校での対応: 看護師の配置や保護者の付き添いが認められる場合がある。
地域支援: 市区町村の「医療的ケア児支援センター」や相談窓口。
※専門の支援者を養成する動きもあり、厚労省のホームページでは重症心身障害児者等コーディネーターの育成研修テキストを見ることができます。
4.まとめ
医療的ケア児は、簡単に言えば「病気や障害で医療機器やケアが欠かせない子ども」であり、その家族も含めて社会全体で支えるべき存在として認識されています。
全国の在宅医療的ケア児は約2万人と推計されており、医療の進歩に伴い年々増加傾向にあります。
日常的なケアを要する状態であっても健やかに成長できる社会、保護者が負担に押しつぶされず安心して子どもを産み育てることのできる社会にするためにも、こういった支援を要する子どもたちへの制度に関心を持っていただけると幸いです。
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