🐢すっぽん捕まえた🐢
K.K.K.O
(飼いたい けど 許可が 下りない)
台風が過ぎ去り、束の間の穏やかな時間。
明日には、また雨が降り始めるだろう。
雨が降るのは本当に困る。
何が困るかって?
子供達が夜寝ない!!!
外遊びで有り余るHPを少しでも削ってもらわないと、夜になっても元気いっぱいだ。
永遠に続くでんぐり返し。
クラブのような点滅を繰り返す寝室。
勘弁してほしい。
よって!
雨上がりに強制的に外へ連れ出した。
最近、生き物に興味を持ち始めた長女。
「長女ちゃん。外で虫取りでもしようか?」
「私、いきたくなーい。」
「帰りにアイス買おうと思ったのになぁ。」
「行く。パパ早く着替えて!」
生き物 <<< アイス
そう簡単に俺色には染まらないところがいいぜ。長女よ。
さっそく外に繰り出す。
次女は長女のことが大好きなので勝手についてくる。
100均で買ったチープな虫取り網を持って、家の前の通りを三人でお散歩。
蝶々やらカナヘビやらが日向ぼっこをしていた。
娘たちの代わりに捕まえて解説をする。
触りたくはないらしいが、気になるお年頃のようだ。
「ぱぱ!スッポン!」
長女が用水路を指差しながら叫ぶ。
確かにスッポンだ。
先日教えたばかりなのに覚えているなんてすごいじゃないか。
しかし、まぁよく見えるもんだ。
若いってすごいな。
感心しているとスッポンは水中へ潜ってしまった。
パパが遅いせいで逃げちゃったと長女は言うが、まさか捕まえる気だったのか?
「よく見てごらん。泥が舞ってるのはそこだけだから、きっと逃げてはいないよ。泥が沈むまで待っててごらん。」
どうするつもりなのか。
長女はその場でじっと水面を観察し始めた。
私は暴れん坊の次女に付き従い、通りをあっちへこっちへ探検させられていた。
道路脇の花を見たり、虫を追いかけたり。
ふと長女の方を見る。
まだやっている。
相変わらず水面をじっと見つめていた。
大した集中力だ。
数分後。
「ぱぱ!みて!スッポン!早く!助けて!」
叫び声が住宅街に響く。
驚いて見やると、娘が一目散に走ってくる。
その手にはチープな虫取り網。
そして、その中にはスッポンが捕まってたまるかと必死にもがいていた。
まさか。
自分で捕まえてきたのか!?

一瞬驚いたが、長年の生き物採集経験が思考より先に体を動かした。
家からバケツを持ってきて急いで捕獲。
廃棄予定の衣装ケースに水を入れ、あっという間に簡易飼育スペースの完成だ。
泥だらけのスッポンを娘たちと観察する。
なるほど。
まだ小さい。
おそらく三〜四歳くらいだろう。
成体ではあるものの、恐竜じみた迫力のない若い個体だった。
いや、すごいな。
小さいとはいえ相当なパワーだぞ。
お前、捕まえたんか!!!
我に返り、私は全力で娘を褒めた。
三人でまじまじと観察しながら悩む。
「飼うか、逃がすか。」
長女は即答だった。
「飼いたい!」
私の気持ち?
無論、飼いたい。
むしろ私の方が飼いたい。
スッポンの飼育は過去に一度失敗している。
脱走だった。
当時の私には知識も経験も財力もなかった。
今なら戦える。
この日のために準備してきたのだ。
ましてや長女が捕まえた記念すべきスッポン。
生き物の飼育や観察は子育てにも良い影響があるはずだ。
たぶん。
きっと。
そういう研究もあるはずだ。
スッポンを庭の倉庫前へ移動し、妻がジムから帰ってくるのを三人で待った。
宿題を見ながら晩ご飯の支度をしていると、
ガチャ。
妻が帰ってきた。

私と長女はニヤニヤ顔で玄関へ向かう。
「ママ〜見せたいものがあるの〜」
もじもじしながら庭へ案内する。
「「じゃーん!」」
二人で一斉にスッポンを披露した。
……。
「すごいじゃん!早く帰してあげなさい。」
「「え?」」
「え?じゃないでしょ。早く元のおうちに戻してあげなさい。」
何故だ。
なぜ喜ばないんだ。
私と娘は困惑していた。

短い短い話し合いの末、一週間だけ結論を待ってくれることになった。
とりあえず泥抜きと、体についたヒルは取ってあげよう。
一週間でお別れか。
はたまた二十年以上の付き合いになるか。
それはまだ分からない。
ただ一つだけ確かなことがある。
私と長女は、もう飼う気満々である。
よろしくな。
ポンズちゃん🐢



ササミを食べてくれました🐢
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