見出し画像

「パワハラ上司の茶番劇」〜宙に舞う資料と振り回される部下たち〜

◇「読めねぇんだよ!」

朝7時、この日も朝っぱらから会議だった。

夜勤あけでヘトヘトの者もいれば、
一時間も早く出社して寝ぼけ顔の者もいる。

この早朝会議は、”A部長”が陣頭指揮をとっている。

『自分が一番えらい』と信じきっているこの人。
パワハラをしている自覚なんて一ミリもない。

しかも思いつくまま、
いきなり会議を開くという悪いクセで部下を振りまわす!

この日も10人の現場のリーダーたちが無理やり集められ、
眠そうにボーッとした顔や、また拷問か…とうなだれてる者たちが席に着いていた。

——その時。

「読めねぇんだよ!!!」

A部長の怒鳴り声が、静まり返った会議室に響きわたる。

「うわっ…!」

ビクッと肩を震わせ、ウトウトしていた数人が一斉に目を覚ました。

まるで、緊急警報がなったかのように、眠気が吹き飛んでいく。

(なんだよ、朝っぱらから……勘弁してくれよ……)

集まったみんなが、お互いに顔を見つめあってアイコンタクトで会話する。

◇朝の儀式

「おいっ!レイのアレを出せ!」

(レイの……? アレ……って? いったい何だ?)

お互いに顔を見合わせ、目をキョロキョロとさぐり合うリーダーたち。
A部長にうかつに聞こうものなら、また怒りだすのは目に見えている。

「こ、これですか?」

おそるおそる、S君が1枚の資料を差し出す。

まるで、「勇者があらわれた!」とばかりに、ホッとするリーダーたち。

しかし、

「字が小せぇ!これじゃ読めねぇんだよ!」

A部長はゴミを投げ捨てるかのように、資料を上に放り投げた。

「す、すみません……」
S君は慌てて資料を拾いあつめ、それをA3サイズに拡大してまた差し出す。

すると、
「これじゃねぇ!」

またもや宙を舞う資料。
それを、泣きそうな顔をして拾い集めるS君。

(字が小さいって言ったじゃないか……じゃあいったい何の資料だ……?)

ふたたび、顔を見あってアイコンタクトしあうリーダー達。

だんだんとその視線が、私へと集中してくる。

『どうするの?』
無言だが、集まった10人の目が…そう言っている。

(出しても地獄……、聞いても地獄か……)

◇震える肩

私は深く息を吸い込み、『ふぅ〜』とはき出して深呼吸。

そして、前回ボロクソに言われた、あの資料のことを思いだした。

(もしかして、レイのアレって、ソレのことか?)

ダメ元でそのボツ資料を、A3サイズにして差し出してみる。

「おぅ、これだコレ!」

A部長は急に満足げな顔をする。

「そ、ソレで……良かったんですか?」

「おぅ、さっさと出せよオマエ!」

ドヤ顔で私を睨んでくるA部長。
でもそれ、さんざ「なっちゃいねぇ!」と自分でダメ出ししてたやつ。

その没ってお蔵入りした資料を出せって…言ってたの?

(いったいこの人……なにがしたいんだ……?)

呆れつつも、ふと周りを見回すと、

リーダーたちは肩を震わせ、横や下へと顔を向け
必死に笑いをこらえていた。

◇珍獣の生態

「朝からこれ、いったい何の時間?」

そう、この会議は——

別名『A部長オ○ニー』と言われるくらい
ただ単にA部長が自己満足したいだけの時間。

リーダーたちは、それに気づいていて 陰でそう呼んでいた。

A部長が資料を投げるたび、怒鳴るたび、一瞬ビックリするけど
「ああ、また始まった…」と思っている。

しかし、当の本人はそんなこと全く気づいてない。
ふんぞり返って得意げだ。

「アレ、コレ、ソレ」しか言えない語彙力。
気分次第で部下を振りまわしてはドヤ顔。
言ったことをすぐ忘れる記憶力。

その哀れな姿を見ていると、
まるで現代まで生きのびた『生きた化石』のようだった。

私は、その珍しい生きものを観察しているんだ。
そう思うと、不思議と心が軽くなっていった。

◇受け流しのススメ

ブラック企業に勤めて33年。

理不尽な要求には、まともに向き合うだけ損をする。

・受け流す力を持とう。
・自分の捉えかた次第で心は守れる。

パワハラ上司に挑発されたときこそ、冷静に。

真正面から受け止めると、メンタルを削られるだけだから。

この会議の後、リーダーたちは肩を叩き合い、

「いや〜、今朝もひどかったな!」

「まったく、朝から茶番かよ!」

と笑いながら、それぞれの持ち場へと戻っていった。

彼らの表情は、なぜかスッキリしていた。

◇このような体験談をnoteで綴っています。

体験から得た学びや教訓など、
今まさに理不尽な職場で悩んでいる人の気持ちを少しでもラクにできたらと思います。

ムカつく上司に真正面からぶつかるより、
「あー、また始まった」と受け流したり、うまく利用するほうが、
心の負担は少ないから。

もし、今の職場がしんどいなら、ちょっと肩の力を抜いてみて。
自分の心を守るのが、いちばん大事だから。

🍀𝕏でも33年間の
 ブラック企業体験談を発信しています。

▶️ブラック・パワハラでお悩みの方は、𝕏のメッセージよりお願いします。
https://x.com/skazuoki

いいなと思ったら応援しよう!