【基本】なぜ整備士は指差呼称をするの?
こんばんは
本日は皆さん聞いたことであるでしょうか?
指差呼称
について
航空整備士のベーシックマナーとして
説明しようと思います。
指差呼称は
航空整備士にとって身につけておくべき
所作の一つ
しかし
私たちの日常においても
指差呼称をした方がいいこともあります。
是非日常生活にも役立つ内容にも
なると思いますので
一読してみてください。
指差呼称とは
ゆびさしこしょう
指差呼称とは
確認する対象を指で指しながら、声に出して確認内容を読み上げる安全確認の方法

航空業界では
当たり前に行われる所作の一つで
これにプラスして
接触確認
することで安全確認の方法を増やしている場合もあります。
航空整備士としては
航空機の出発前に
ドアやパネルが閉まっていることを
指差呼称で確認する
部品の取付作業が終了した際に
部品の取付が確実かどうか
接触確認後、指差呼称で確認する
など
様々な場面の確認行為として使用します。
このように
対象物を見て
指を差し
声に出して確認を行う
これが指差呼称です。
なぜわざわざ指を差して声を出すのか
その理由はシンプルです。
人間が「見たつもり」「確認したつもり」になりやすいから
鉄道総合技術研究所の研究では、
指差呼称を行うことで確認ミスが
"大幅に減少する"ことが報告されています。
人は目だけで確認すると
頭の中で別のことを考えていても
「確認した」と思い込んでしまうことがあります
しかし、指を差しながら声に出す動作をすることにより
* 目で見る
* 指で示す
* 声で発する
* 耳で聞く
という複数の感覚を同時に使うため
注意力が高まり、
確認漏れを防ぎやすくなる
という仕組みです。
つまり
指差呼称とは
単なる掛け声ではなく
"人間はミスをする"という前提に立ち、
そのミスをできる限り減らすために作られた
安全を支える基本動作となります。
この人間はミスする生き物という考え方を
"ヒューマンエラー"といい
航空業界では必ず必要になる考え方となります。
人間は思っている以上に見落とす
ヒューマンエラーに起因する事故などを
題材に講義を受けることが必ずあります
それを聞いて
「そんなミス、自分はしない。」
なんて
誰もがそう思いたいものですが
実際にはどれだけ経験を積んだベテランでも
ミスを完全になくすことはできません。
このような人間が起こすミスを
ヒューマンエラー
と呼びます。
ヒューマンエラーは
知識不足や技量不足だけで
発生するものではありません。
例えば、
* 急いでいた
* 他の作業に気を取られた
* 作業途中で話しかけられた
* 慣れた作業だった
* 疲れていた
このような誰にでも起こり得る状況によって
発生します。
業界においても
「締め付けたと思っていた」
「確認したつもりだった」
「いつも通りだから大丈夫だと思った」
といった『つもり』によるミスが
起きてしまうのが現実です。
これが発生する要因として
「人間の脳は見た情報を
そのまま認識しているわけではない」
ということ
私たちは経験や思い込みを使って
情報を補いながら物事を見ています
そのため
実際には確認していないにもかかわらず
「確認したはずだ」と錯覚してしまう
これは整備士としてやってはならない行為です
しかし
これは能力の問題ではなく
人間の特性そのものです。
だからこそ航空業界では
「人は必ずミスをする」という前提で
安全の仕組みが作られています
指差呼称もその一つです。
ここまでで
指差呼称の必要性は理解していただいたと
思いますので
指差呼称が有効な理由を
深掘りします
指差呼称がミスを減らす仕組み
指差呼称を行うとミスが減る
その有効性を深掘りします
その理由は、前文でも触れましたが
確認する際に複数の感覚を同時に使うことで、脳が情報をより強く認識できるから
です。
指差呼称では、
* 目で対象を見る
* 指で対象を示す
* 声に出して確認する
* 自分の声を耳で聞く
という複数の動作を同時に行います。
これによって脳は「ただ見た情報」ではなく
「意識して確認した情報」として
認識しやすくなります。
航空整備の現場では
飛行前にドアを閉めた後に
ロックの状態を確認する場面があります。
目で見ただけでは、
「閉めたはず」
「さっき確認したはず」
という記憶に頼ってしまうことがあります。
これでもし、飛行させてしまったら
あれ、閉めたっけ?
と不安になります。
日常生活の中の
「家の鍵閉めたっけ」の現象と同じです。
しかし
ここで
「ドアクローズよし」
と対象を指差しながら声に出すことで
確認すべきポイントへ意識が集中します。
これにより間違えなく閉めたと認識し
不安に駆られることも少なくなります。
私は日常生活の家の鍵でも
やるようにしています。
どちらか言うと
クセになっている
のほうが正解かもしれません
まとめ
指差呼称は、
単なる掛け声や形式的なルールではない
人間はどれだけ経験を積んでも
疲労や思い込み
慣れによってヒューマンエラーを
起こしてしまいます。
だからこそ
航空業界では
「ミスをしない人」を育てるのではなく
「ミスを起こしにくい仕組み」
を作り上げています。
その仕組みの一つが
指差呼称
まだやったことない人も
やってはいたけどやる理由が曖昧だった人
形式だけの指差呼称だと感じていた人
指差呼称を「面倒な作業」と感じることがあったら、ぜひこの記事を思い出してみてください。
その行為は上司のためでも
会社のためでもありません。
未来のヒューマンエラーを防ぎ
自分自身と空の安全を
守るための大切な行動です。
これが
定着した整備士は
整備士からしても
"カッコいい整備士"だと思います
