70人分のエッセイを書いて学んだ、『ファンが増える企画』の作り方

無計画な魚、70人を抱える
ある日の夜。
SubstackというSNSでは、「祭り」だの「なんちゃら企画」だの、楽しそうな催しがあちこちで開催されていた。
私は、誰かとワイワイはっちゃけるのがあまり得意ではない。
楽しそうだなぁ、とは思います。
思うけど、自分も輪の真ん中に入って一緒に踊りたいかと聞かれるとそれは違う。
企画はしてみたい。
でも、みんなでワイワイしすぎるのは苦手。
参加したいのか、したくないのか。
我ながら面倒くさい人間である。
そんな矛盾を抱えながらスマホを眺めていたとき、ふと、ある企画をひらめいた。
そうだ。
私が皆のエッセイを書くというのはどうだろうか。
これなら、私が1人でもくもくと書くだけ。
フォロワーさんたちと揉みくちゃになりながら、笛を吹いたり踊ったりする必要もない。
交流型に見せかけた、ほぼ個人作業。
我ながらナイスアイデアだと思った。
そして、そのアイデアがひらめいた1時間後。
私は告知用のポスターを生成し、Substackに投稿していた。

我ながら、行動力だけはすごい。
ただしこの魚、計画性とやらを考える頭はなかった。
投稿すると、少しずつ参加希望のコメントが届き始めた。
ピロン♪
ピロン♪
よしよし、いい反応だ。
10…いや、15人くらい集まればいいなぁ。
ピロン♪
ピロン♪
ピロン♪
ピロン♪
……。
ちょっと鳴りすぎじゃない?
慌てて通知欄をみる。
『〇〇さんがノートに返信しました』
『〇〇さんが引用リスタックしました』
『〇〇さんがノートに返信しました』
とんでもないことになっている。
気がつけば、たった一日で70名もの参加者が集まっていた。
70名。
想像していた人数の約4.7倍である。
しかも「抽選で15名様」ではない。
これは参加してくれた人を、もれなく全員書く企画だ。
やっちまった。
これは完全にやっちまっている。
ここから入れる保険はあるのだろうか。
「実は抽選でした☆」
「それではルーレット、スタート☆」
などと言って、ごまかせないだろうか。
いや、無理だ。
そんなことをしたら、購読者どころかフォロワーが30人くらい消える。
ルーレットを回す前に、私への信用が回転しながらどこかへ飛んでゆく。
私の頭の中に、松岡修造が現れた。
「諦めんなよ!!!」
いや、師匠。
70人っすよ。
70人を1人で相手するんですよ、師匠。
テニスだったら、こっちはもうボッコボコです。
私の頭の中の師匠が、現実を知って若干引いてしまった。
とはいえ、全ては私の計画性のなさが招いたこと。
私は腹をくくった。
お前ら全員、美味しく調理してやる。
こうして、私の長い20日間が始まった。
書いて、怯えて、書く20日間
最初は1日に3人から5人。
余裕のある日は10人くらい調理した。
なかなかいい感じである。
実際に書き始めてみると、この企画はフォロワーさんのことを改めて知る、いい機会となった。
そして結構楽しい。
アイコンで、新たな気づきを得ることもあった。
フォロワーさんのプロフ文をみて、意外な一面を見落としていたこともあった。
いつも普通に絡んでいた人が、よく見れば実は社長だったり、すごい人だったりとか。
プロフィールを読んで、思わずエッセイを書く手が止まる。
私、なんでこんな人たちと普通に話せている上、散々いじってるんだろ。
こっちは何の肩書きもない、ただのアラサー。
社会に一歩出て、エッセイと同じような事を言おうものなら、彼らに逆に三枚おろしにされるだろう。
エッセイで何度「失礼いたしました」と書いたか分からない。
しかし、向こうが好きに書いてくれ!と言ってくれている以上、こちらも全力で応えなくてはならない。
その人のアイコンを舐めるように見て、プロフィールを隅々まで拝見。
そして、勝手な印象としらすなりの愛の偏見をたっぷり混ぜ、渾身のエッセイを完成させていった。
投稿ボタンを押す。
しばらくすると、本人から「いいね」がつく。
ここからが、最も緊張する瞬間である。
さぁ、どうですか。
私はあなたのご希望に応えられていますか。
ちょっとでも笑ってくれましたか。
……。
コメントがない。
3分。
5分。
10分。
…もしかして、何か気に障ることを書いた?
もしかして、いじりすぎた?
画面の向こうでめっちゃ怒ってる?
通知画面を何回もシュポシュポスクロールする。
変化なし。
…
お願いします!!
クレームでも何でもいい!!
返事を!
返事をしてください!!
気分は好きな人から返信が来ない、発狂寸前のメンヘラである。
まーじで生きた心地がせんかった。
本人からポジティブなお礼コメントが届いて、ようやく息を吸えていた。
エッセイに関係したイラストや、長文のお礼を添えてくれたときは、もう安堵と感動で号泣であった。
書いて、怯えて、安心して、感動する。
感情が忙しい。
そんな危険な綱渡りを、20日間。
そしてついに、70名すべてのエッセイを書き終えた。
最後の投稿ボタンを押した瞬間、とんでもない達成感が押し寄せてきた。
長かったテスト期間が終わったような、宿題を全部提出したような。
とにかく、晴れやかな気持ちだった。
私は、この企画から大切なことを学んだ。
企画は、フォロワーさんの新たな一面を知り、今まで以上に親しくなれる素晴らしい機会だということ。
そして、企画はちゃんと計画性を持ってやらねばならぬ事を。
70人を書いたからこそ見えた、企画の裏側
エッセイをお読みいただきありがとうございます!
ここまでは、計画性ゼロの私が、自ら仕掛けた罠に自らかかり、20日間かけて70人を調理した話でした🐟
IQ3の知能で無計画に始めたものではありますが、この企画で得たものは、達成感と購読者(フォロワー)だけではありませんでした。
参加者のアイコンとプロフィールを舐め回すかのように読み、どんなエッセイを書こうかじっくり考える。
そして、完成したエッセイを投稿し、本人や周りの反応を見る。
それを20日間、70回繰り返したことで、企画が盛り上がる理由や、企画を次の活動につなげるために必要なことが、なんとなーく分かってきました。
15人とか、ちょこっと書いただけでは気づかなかったと思う。多分。
ここからは、実際に70人分のエッセイを書いて分かったこと、気づいた事。
そしてそれらの活用法を、私なりの考察としてお話ししようと思う。
準備はいいかね?

本当の入口はプロフィールより前にある
まず、この企画をしてて一番に感じた事。
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