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私と農協

私は専業農家で、全量を農協に出荷している。農協とは持ちつ持たれつの関係なのだが、一般的には農協にネガティブな印象を持つ方が多いように感じる。

ネットでも、このnoteでも、農協こそが日本の農業をダメにした諸悪の根源であるかのような内容の投稿が溢れている。

しかし、それは私の実感とは大きくかけ離れていて戸惑う。中には劣悪で酷い農協もあるかもしれないし、私は自分のエリアの農協の事しか知らない。

 その上で、巷に溢れるネガティブな内容と私の実感を述べていこうと思う。


農家は農協の言いなり?

農協と農家は対等な関係だと感じている。農協の若い職員はとても優秀で勤勉だし、役職者も親身に対応してくれる。色々な相談の窓口となっていて、いつも農家に寄り添ってくれている。


農協が決めた規格に農家は苦しんでいる?

私が生産している葱も、出荷時に等級ごとに選別し箱詰めしている。それには大変な手間がかかるのだが、その等級や規格は誰が決めているのだろうか? 
農協の規格は市場の求めによって決められているし、市場は小売店や消費者のニーズによって規格を決めている。スーパーに並ばないような歪なものや虫食いのものは業務用や加工用に回されるので、規格外で廃棄されるような作物はわずかである。

農家も、高く売れる等級を作る為に努力するので、結果的に品質のよいものが増える。

天候不順などで不作の年は、市場と農協が協議のうえ、規格が緩和されることもある。


農協のせいで農薬まみれ?

農協が農家に農薬の使用を強制することはあり得ない。農協は農家に対して、使って良い農薬悪い農薬、用法用量などの情報を提供して、それに基づいて農家がいつどんな農薬を使うか判断する。農家は栽培履歴簿を農協に提出し、適正に使用されているか農協のチェックを受けてから収穫する。農協は残留農薬対策にはとても厳しいし、市場でも抜き打ち検査がある。


農協は不当に安い価格で農家から買い叩いている?

作物の値段は、あくまでも需要と供給で決まる。農協の販売担当者は、少しでも高く売れるように市場と交渉したり契約を結んだりして、農家の所得向上に努めている。農家は農協のスケールメリットを活かして大都市の大口顧客に販売できる。


農協は手数料が高い?

農協によって生産物の安定的な販売先が確保され、代金の回収までしてくれる。施設を利用したりトラックを手配したり、個人では難しい事を農協が代行してくれている。その結果、農家は生産に集中する事が出来るので、各種の費用を負担するのは当然と思う。


 これらは、私が感じている事のほんの一部である。メリットがあるからこそ農協が存在し、多くの農家が農協を利用している。

農協を全否定する人は、農協のせいで小さな農家が淘汰されずに生き残り、日本の農業の発展を妨げていると言いたいのかもしれない。

つまり、私のような農家の存在も全否定しているのだろう。

それはそれで結構。もちろん時代に合わせて農協も農家も変わらなければならない部分もある。

しかし私は、農協に対しては心から信頼し感謝をしている。

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