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aoism935
54.真空0作家生命危機一髪
作家の真空0(シンクウゼロ)は、作品の材料が足りなくなったので買い出しへ出かけた。
ところが、いつも店頭に並んでいるはずの材料が見当たらない。
店員さんに尋ねると
「たった今、廃盤の知らせが来たので店頭から下げたところです」
と言う。
驚いていると
「最後の商品が少しだけ残っていますよ」
と持ってきてくれた。
なんとも不思議なタイミングだった。
私は作品ごとに素材を変えることが多い。
だから困ることはない。
もし私が、特定の素材でしか作品を作れないと思い込んでいる作家だったらどう感じただろう。
そう考えたとき、少しだけ自分のことが見えた気がした。
今回の新作は、自分でも興味深いものができたと思っていた。
だからこそ、無意識のうちに
「この素材でしかこの表現はできない」
と思い込んでいたのかもしれない。
気付かないうちに、自分で可能性を狭め始めていた。
もし今、私が一つの素材に依存し始めたら、作家としてはあまりにもはやく終わってしまうところだった。
あぶないあぶない。
今回のシリーズは、今手元にある材料を使い切るまでにしようと思う。
終わらせるためではなく、続けるために。
そしてまた、次の素材へ。
作りたいのは作品だけではなく、その先にあるもののはずだから。
【真空0の2026年展示会予定】
・グループ展
会期:6月18日-6月23日/会場:のばな
場所:東京都中央区銀座5-10-1プリンスビル7階
・Independent Tokyo 2026
会期:8月8日・9日/ 会場:東京ポートシティ竹芝
