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ショートショート「十中八九七五三」※毎週ショートショートnote10/19お題

 「十中八九七五三?何だい、それ」
 同僚とランチ中、僕は、焼きたての秋刀魚をつつきながら聞き返す。
 「今年の流行語大賞の一つだよ」
 同僚は、サバの味噌煮込みから骨を取り分けながら答える。
 何でも、語感が面白いと言うことで、意味はないが流行ってしまったらしい。
 ふと、僕は浮かんだ疑問を口にする。
 「一と二と六は、どこにいった?」
 「あん?何言ってんだ?…ああ、確かにないが、意味なんてないだろう」
 同僚は、どことなく寂しそうに言う。
 僕は、何か大事なことを忘れている。
 同僚……僕達は何の仕事をしているんだ?
 126…162………ひろふ……ひーろー?
 ピーピー
 同僚の腕時計から、アラームがなっている。
 「おっと、呼び出しだ。じゃあ、俺は仕事に行ってくるよ」
 そうだ。同僚は、職業ヒーローだ。
 162 …ヒーロー……ヒーローは2人いる。
 ああ、そうだ、僕は。
 「思い出した。僕は、君と2人でヒーローをしていた」
 同僚はハッとした顔をする。
 そして、目尻に涙を浮かべて笑う。
 「おせーよ!…おかえり」
 僕らは二人、ヒーロー姿に変身する。
 記憶を奪う怪人に、リベンジを果たそう。



→こちらの企画に参加させていただきました。

 

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