ショートショート「踏切オーディション」※毎週ショートショートnote6/7お題
クシャ
不気味なほど乾いた音を立てて、箱が潰される。
「罪人には、踏切の刑が待っている」
クシャッ
次々と目の前に運ばれてくる大小様々な箱を、1列に並んだ罪人が潰していく。
「次」
クシャ
「次!」
グシュ
すぐに動揺が広がる。
ただ箱を踏んで潰すだけの刑。
一体、何の罰になっているのか。
グシァア
「あ、あ、あああああああ!!」
突然、悲鳴が上がった。
見ると、数人先の男が突っ伏して泣きわめいていた。
その手を、静かに流れ出る赤い液体が湿らせて。
「ミィいいいい!ごめん、ごめんなさい!」
原型を留めていないが、生き物の潰れた頭が見えた。
「言い忘れていたが、箱の中には貴様らの大切な『何か』が入っている」
執行官の冷徹な宣言に、既に箱を潰した者たちが困惑の絶望に染まる。
そして――
ドグシャア!
私は、運ばれてきた、子ども一人入るくらいの箱を躊躇なく踏み潰した。
「良い踏み切りだ。貴様、執行官になれ」
肩に手を置かれた私は、自然と笑みが浮かんだ。
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