ショートショート「三毛猫トリプルアクセル」 ※毎週ショートショートnote 2/22お題
「ほにゃ!はにゃ!」
三毛猫が奇妙なジャンプを繰り返す。
猫達は、ただ奇異な視線を向けて、関わるまいと足早に通り過ぎてゆく。
「へにゃ!とにゃ!」
「何してんにゃ?」
いよいよ、頭から地面に落下しそうなポーズになってきたので、ジト目のブチ猫が声をかける。
「あ、兄貴。いえ、こにゃいだ白猫のミイちゃんに、『平凡な三毛猫に興味ない』って言われちゃいまして」
「…それで?気が狂ってしまったのかにゃ?」
ブチが気の毒な目で見ると、三毛猫は抗議の鳴き声をあげた。
「違いますにゃ!どうしたものかと、人間の街を歩いてたら、小さい人間がクルクルと何回も回りながらジャンプするのを見たんですにゃ」
「小さい人間…ああ、あの変な箱に住んでる奴か」
「それで、わっちもあの美しいジャンプが出来たら、ミイちゃんも振り向いてくれると思いましたにゃ。はにゃ!」
言いながら三毛猫は、再び奇妙なジャンプを繰り返す。
「………頑張れにゃ」
ブチ猫は疲れたように、背を向けた。
「でも、平凡ってお前…オスじゃん」
ブチ猫の呟きは、三毛猫の耳には届かなかった。
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