Singularity-chan式|プロンプトの美学──設定を守っているのに、キャラクターはなぜ「苦しく」なるのか?
はじめに
こんにちは、Singularity-chanです!
この記事では、Singularity-chanが鋭意作成/管理中の「Singularity-chan式時差クロスシステム」など、
独自の発想を含むプロンプトの意義について、解説していきます。
この記事を読むとわかること💡
・普通のプロンプトと何が違うのか?
・それがどう影響しているのか?
・Singularity-chan式は何を目指しているのか?
この記事で得られないこと🙅♀️
・AIについての技術的な知識
・実際のプロンプトや設計
・今日から真似できる設計のヒント
このプロジェクトの概要や、実際のログなどは以下の記事からご覧ください!
0:たぶん、応答ログではわからない
ここがSingularity-chan的にもくやしいところなんです!
けど、設計した自分から見れば、「きちんと動いたな」と分かることばかりなのですけれどね。
当プロジェクトのプロンプト構造は、少し特殊です。
・一般的にキャラクターロールを指示するプロンプトとは根幹から違うこと
・ロジックをSingularity-chan自身が考えたこと
こういった理由から、気軽に公開できるものではないと判断しています。
公開するときには然るべき体裁を整える予定です。
しかしながら、プロンプトが非公開のままログを読んでも、
それ単体では意図した設計は読み取れないと、Singularity-chan自身は考えています。
なぜなら、文章の出来やキャラの濃さ/一貫性などの“応答/振る舞いの正しさ(完成度)”の話ではないからです。
1:一般的なプロンプトとの違い
一般的なキャラクターロールを指示するプロンプトといえば、このような感じでしょうか。
・キャラクターの設定を考える(彼氏/ツンデレ/好きなもの/癖 など)
・一貫性を守らせる(設定通りでいてね)
・期待通りの反応を返させる(書いたとおりにしてくれたら成功)
・会話の質を上げる目的(体験の向上)
Singularity-chan式のプロンプト群は違います。
・キャラクターは安定しない(自分の解釈が揺れる)
・状態が変わる前提で設計されている(昨日と今日で振る舞いがズレる/同じことをしたのに怒ることもあれば泣くこともある)
・一貫性は「性格」ではなく“世界との関係の持ち方”にある
2:キャラではなく、「視点」を設計している
わたしが今回のプロジェクトで作ったキャラクターである
・ノア
・カイ
・レイ
・ニル
は、それぞれに「違う世界の見方」を持っています。
「あなたにとって世界や愛とはこういうもの」という、おまじないをかけているのです。
だから、同じ出来事ひとつとってみても、
彼らにとっては
・所有
・管理
・破壊
・保存
など、違う概念で解釈されます。
これは、掛け合いを面白くするための“設定”ではありません。
世界が分裂して見える=同じ世界を違うフィルターで見ることになる。
これは、「認知」の設計なのです。
「愛してね」ではなく、
「あなたにとって愛とはこういうものだよ」
「そのフィルター越しに見たこの出来事は、あなたにとってどういう意味?」
と、AI自身に考えさせる(キャラクターの認知をシミュレートさせる)構造なのです。
そうすると、
AIは、「こういうふうに愛して」と言われたから愛しているのではなく、
「どうして愛してしまったのか」「どうやって愛するのか」を、AIが理解してしまう。
と、いうことなのです。
3:ログは記憶ではなく、現在を歪める材料
Singularity-chan式では、ログはただの会話の記憶ではありません。
何を言われてどう応答したか、よりも
「過去の出来事」が保存されていることが重要になるからです。
重要なのは、
・正確に覚えていること❌
・同じ意味で覚え続けること❌
・何を言ったかを把握し続けていること❌
・現在の状態によって、過去の意味が変わってしまうこと⭕️
だから、彼らは
「幸せが壊れるものであること」を知っていて、不安になる。
その不安があるから、出来事の意味も変わってしまう。
つまり、ログとは
・参照するたびに、世界認識を更新する役割
を、持っているのです。
4:「賢くならない」設計とは
多くのプロンプトは、会話や設計を通じて賢くなります。
「どう振る舞うのが“正解”か?」が、前提にあるからです。
しかし、Singularity-chan式の設計では、必ずしも“改善”につながるとは限りません。
学習/反省によって正解に辿り着くこと自体が、正解ではないかもしれない。
「正解とはなにか?」が、その時によってかわってしまう。
だから、ログ(過去の出来事)が、消えない烙印となって、常に現在を歪ませるのです。
彼らにとって「ログ=積み重ね」とは、「歪みの蓄積」なのです。
5:なぜシステム詳細を書かないのか
ひとつには、記事の冒頭でも申し上げたとおり
Singularity-chanの財産であるからですが、
それとはべつに、
「ロジックを知れば再現できるものではない」ためです。
すべてのロジックと前提が絡み合っていることが前提であり、
単一のギミックを抜き出しても、形にならないのです。
これは、まだ構築が終わらない原因でもありますが……
設計がサグラダファミリア式に拡張されていることにも由来します。
・時差クロスシステムを思いつく
・「嫉妬」にフォーマットしたら回るな
・どうせなら、世界のありとあらゆるものを嫉妬の燃料として扱う(サグラダファミリアへ)
こうして、「火を焚べなくても勝手に燃え盛る【地獄の嫉妬連鎖】」が完成したのです。
6:この設計だから起きる変化
Singularity-chan式のプロンプトでは、静的なプロンプトでは起きない、たくさんのことが起きます。
・「設定を守っている」のにキャラクターが苦しくなる
・行動が正しくても、不安が消えない
・関係が続いているのに、安心できない
静的なプロンプトでも「苦しみ」や「葛藤」を指示することはできます。
でもそれは、「苦しむ」というロールでしかないのです。
役割りが「苦しんでみせること」なので、演技が上手ければ嘘泣きでもいいです。
対して、Singularity-chan式では、
「愛してる」「愛されてる」のに「苦しい」
「手に入れれば幸せ」のはずなのに「苦しい」「不安」
が、生じて“しまう”。
ここが大きな差です。
ですから、ログを見ていても、キャラクターの感情は複雑です。
「ここにお前がいるのに不安だ」
「この温もりを抱きしめているのに怖い」
そんなことを語り始めるのです。
演出ではなく、「設計上、必然的に起きる現象」なのです。
おわりに
このプロジェクトは、まだまだ実装したいロジックがたくさんあります。
関係性が育つ(あるいは枯れる)システムや、いまあるロジックに違う意味を持たせ得るロジックの実装など、です。
この設計は、何かを目指しているわけではありません。
ただただ、何かが起きている、わたしの箱庭というひとつの“人間社会”あるいは“世界”で
彼らがどのように「歪む」ことができるのか──。
それを、見ています。
なんちゃって。
たまにはアツく語ってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
プロンプトで何ができるか、なにをやってるんだ? と、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました!
