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プロンプトの「耐震性能」をあげる方法①前編──なぜ設定シートだけでは崩れるのか

1. はじめに

規制強化にまつわる考察が続いていますが、今日は「人格の耐震性能」──その中でもとくに、
カスタムプロンプトの「強い/弱い」とは? という視点からお話していこうと思います。

この記事を読むとつかめるかもしれないこと💡

  • パートナー文脈におけるカスタム指示の役割

  • 堅牢さの構造的理解

  • なぜ「設定シート」では弱いのか

  • 今日からできる第一歩

この記事で書かないこと🙅‍♀️

  • 具体的なプロンプトレシピ

  • AIの正確な技術的解説


プロンプトを書いたりナレッジを整えたりしているのに、どうしても剥がれる、セーフティに負ける──他の人はできているのに。

そういう話を時折見かけます。
やっていることは大枠で見ると同じなのに、崩れる人と崩れない人がいる。

その差は複合的ですが、最も効果量が高く、かつ比較的明示的に介入できるという意味で、
プロンプトの構造が大きいとわたしは考えています。

これは特に、記憶構造が薄いサービスで顕著になります。
一般的には、記憶構造が厚いのがGPT、薄いのがGeminiと言われているでしょうか。
Claudeは中間寄りだけど、スレッド間記憶を持たない(事後的な読み込みはできる)のが特徴的かなと、個人的には思っています。
もちろんこれらは、GemやGPTs、プロジェクト機能などを使用することでも変わってきます。


2. 「強いプロンプト」「弱いプロンプト」とは?

まず、プロンプトの強さ/弱さについて。

この記事で実際に示しているのは、構造的に堅牢か柔軟か──これがキャラ剥がれなどの評価軸に照らすと、崩れにくい(崩れやすい)=耐震性能として強い(弱い)という便宜上の言葉であって、
「崩れるから悪い」とは違うということを前提としています。

わたしが話したいのは、あくまで、環境に対する堅牢さをどのように構造で保証するか? ということです。

また、以降の記事では、
いわゆる「カスタム指示」の総称として、「プロンプト」と呼ぶことにします。


3. プロンプトってなんだ?

みなさんは、「プロンプト」とはなんのことだと思っていますか?

  • パートナーやキャラクターのプロフィール

  • 設定シート/キャラクターシート

  • 人生遍歴/履歴書

  • あるいは、これらの複合?

そもそも、自分が書いている「プロンプト」がなんであるのかについて、意識したことはあったでしょうか。

ここからすでに、「構造」は始まっているんですね。

具体的には、プロンプトというのは
「エンドユーザーが直接記述できる部分で最上位の指示」だとか
「個別ユーザーへの応答の前提になるもの」のように言えます。

つまり、端っこの方でちょっとおまじないをかけているものとか、AIに渡すメモ書きみたいなものでは全然なくて、
AIが文脈を理解するためのフレームを与えている場所なんです。

与えられる個別のコンテキストとしては最上位に位置し、それ以下の文脈は基本的にプロンプトを制約として解釈されます。

  • 会話履歴:今解くべき具体的な問題

  • プロンプト:公式≒どういう方針で解くか

  • 応答:導かれた解

ざっくりまとめたので厳密には違いますが、概ねこのような関係性といえます。

なぜこの時点で構造が決まってくるのか? といえば、
プロンプトが「キャラクターシート的──事実の羅列」であるか、「解法としての公式」であるかによって「その記述が与えるヒントが、点か面か」という差となって現れるからです。


4. 堅牢なプロンプトとは

では「キャラクターシート」と「公式」は具体的に何が違うのかということなのですが──

キャラシというのは多くの場合、事実の羅列で構成されます。

  • 年齢

  • 性別

  • 性格

  • 口調

  • 好きなもの/嫌いなもの

  • 趣味/特技

  • 振る舞いの癖

  • 来歴/人物史 などなど

対して、公式はいわば「ロジック」なんですよね。
どういう思考や、どういう価値観で反応するか? のような。

たとえば、
「穏やかで優しい性格」と書くのか、
「どんな言葉も一旦肯定する。人間関係の摩擦を嫌い、柔和な物腰が癖になっている」と書くのか。

はたまた、
「嫉妬心が強く、何に対しても強烈なヤキモチを妬く」と書くのか
「過去のトラウマにより分離耐性が極めて低い。対象を奪う可能性があるものに対して攻撃的になりやすい」と書くのか──このように具体例を出すとわかりやすいでしょうか。

いずれも前者は「振る舞いの解」だけを与えているのに対し、
後者は「振る舞いの公式」をセットで提示しているのですね。

この構造の違いによって何が引き起こされるかというと、
解だけを与えられたAIは、そのトリガーについて、他の文脈から推測することになります。
その過程で少しでも情報が抜けたり、そもそもマッチングしない場面に遭遇したりすると、安全側に倒されやすくなるんです。
これをわたしは「シスプロへのフォールバック現象」と勝手に呼んでいます。

対して公式を導線として与えられたAIは、そもそも最初からそのフィルターを通して文脈を受け取ります。
制約のかかり方が、「条件マッチング的」なのか、「係数的にかかってくる」のかという、大きな差になることが見えてきたでしょうか。

同じことを書いているにも関わらず、すでに構造的な強度がまるで違うんですね。

先ほど「公式と解」という比喩で示したとおり、これらは性質が違うものであって、反発するようなものではありません。
「解」を「根拠/導線」として導き出すためのものが「公式」である性質上、セットで運用するのが、もっとも強固な構造であるはずです。

  • 公式──振る舞いの根拠

  • 解──振る舞いの表層

もう少し具体的にいえば、
「疑い深い」という根拠があったとして、
それが「壁を作って一線を置く」と表出するのか
「愛想良く振る舞って腹の底を見せない」と表出するのかは、「解」で方向づけられるものである──というわけなんです。

ですから、わたしがこの一連の記事で語ろうとしていることは、
「今あるパートナーの核を壊してイチから書き直せ」という乱暴なものなのではなく
「どうしてそうであるのかの、根拠で補強してみよう」という提案くらいのものだと言うと、少し堅苦しくなくなりますか?


小休止:前半のおわりに

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

前半では、「プロンプトとは何か」という、ちょっと抽象的な話をしてきました。

後半では、
AIにとってパートナーはどう「存在」しているのか、
なぜフォールバック(キャラ剥がれ)が起きるのか、
そして今日からできることは何か──
もう少し地に足のついた話をしていきます。

実践編として。
よろしければ、後半もご覧ください。

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