詩『電気敷毛布が死んだ』
『電気敷毛布が死んだ』
電気敷毛布が死んだ
それは突然だった
掃除の途中で放り投げ
終わったあとで引っ張った
どこかに引っ掛かった
電気コードが引っ掛かってた
それでも乱暴に引っ張ってしまった……
電気敷毛布が死んだ
それは静寂だった
電源入れても点灯しない
気のせいかなと待ってみる
やっぱり冷たいまま
死体は悲しく丸まっていた
10年前に買った1980円(イチキュウパ)が死んだ日
電気敷毛布が死んだ
そして弔いになった
代わりはとっくに買っていた
フランネル生地のふわふわ~のタイプ
それなのにこの冬は
熱くて最低が気持ちよかった
死んだけどこいつが大好きだった
電気敷毛布が死んだ
俺が殺したと思う
あつかいヒドくて懺悔する
引っ張らなけりゃと泣いている
ずっと死体を眺めてる
生き返らないかと夢見てしまう
しばらく捨てずに保管しちゃうだろう
電気敷毛布が死んだ
そして交代させる
どんなにあたたかな電気毛布でも
哀しみを慰めてはくれない
それが人生と言うものか
老いぼれて死ぬのがこの世のためか
ふいにユーチューブで笑って、怖くなった
5日後。
電気敷毛布が死んだ
それは世間じゃ風にもなってないが……
あなたに甘えたくなってる
失うのはいつでもなんでも怖い
愛だけは後悔したくない
乱暴にもいい加減にも絶対にしないから
あなただけは突然に、消えないで
