夏至の梅雨入り【私の二十四節気】
「さすがに梅雨入りかなぁ?」
土曜日の朝、雨空を見ながら夫が言った。
ここ数週間、東北は雨天と晴天が交互に続き、梅雨入りが発表されないままだった。
5年前、私は梅雨のない北海道から宮城に移住してきた。移住前の梅雨に対するイメージは、紫陽花の鮮やかな色や雨に映える水田の景色だった。
けれど実際に移住してみると、止まない雨と湿気に洗濯物も乾かずクローゼットの中の衣類までカビ臭くなる始末。梅雨は、大嫌いな季節になった。
とはいえ、冬場の降雪の乏しい地域では、この時期の雨水が無ければ生きるための水も無い。梅雨の大切さを理解しつつ、鬱陶しさと共存するのが恒例になった。
「あ!東北、今日から梅雨入りだって!」
お昼前、スマホで見たニュースには、東北梅雨入りの情報があった。

土曜日は、夫婦で仙台駅前に出かけた。
帰宅後、古い賃貸アパートに帰宅すると、玄関前の雨どいから飛び立つスズメの姿が見えた。
けれど、親鳥が飛び立った後も、雨どいからはピィピィと微かな雛鳥の声が聞こえた。

「(生まれた?)」
「(生まれてるよね?!)」
声を出さずに夫婦で会話。
そんなニンゲン夫婦の気遣いをものともせず、ピィピィと元気に鳴き叫ぶ雛鳥の声。
とりあえず、人の世のことは気にするな。
頑張れ、子供達。
いいなと思ったら応援しよう!
チップよりも、一人でも多くの方々に読んでいただけるよう、気に入った記事や作品があればシェアしていただければ幸いです。
チップをいただいた際は、東北各地や能登など全国の美味しいものの購入費用として活用させていただきます。