60代、収益ゼロでもチャレンジしてみる――0円が〇〇円に変わる瞬間は、一生に一度しかない――
朝からよく晴れていた。
窓を開けると、六月の風がカーテンを揺らし、どこか夏の匂いを運んでくる。
淹れたばかりのコーヒーを机に置き、私はいつものようにnoteを開いた。
noteを始めて四週間になる。
総ビュー数は四千を超えた。
スキも五百を突破した。
Xのインプレッションも、この一週間で一万を超えた。
数字だけを見ると、なかなか景気が良い。
そこで収益画面を開いてみた。
売上。
0円。
思わず笑ってしまった。
延べ四千回以上も記事を読んでいただいた。
五百回以上「スキ」を押していただいた。
Xでは延べ数万人以上の方に投稿を見ていただいた。
それでも収益は0円である。
なかなか見事なものである。
だが、不思議と落ち込んではいない。
むしろ少し楽しみにしている。
この0円が、初めて〇〇円に変わる瞬間を。
それは人生で一度しか経験できない。
考えてみれば当たり前の話だ。
初めて自転車に乗れた日も一度しかない。
初めて給料をもらった日も一度しかない。
初めて結婚した日も、初めて子供が生まれた日も一度しかない。
そして、何かを自分で作り、自分で発信し、その結果として収益が生まれる最初の瞬間も一度しかない。
私は六十代になって、その瞬間を待っている。
若い頃の私なら不思議に思ったかもしれない。
なぜ今さらそんなことを始めるのか、と。
定年も見えている。
年金もある。
投資もしている。
生活に困っているわけではない。
それでも、自分の力で何かを生み出してみたかった。
だからnoteを始めた。
AIを使い始めた。
YouTubeに音楽を公開した。
収益化を目指した。
もちろん、お金は欲しい。
月に千円くらいあれば嬉しい。
五千円になればもっと嬉しい。
だが最近は少し考え方が変わってきた。
収益化とは、お金の話だけではない。
誰かが価値を認めてくれたという証でもある。
だから私は、まず最初の〇〇円を見てみたい。
大金ではなくていい。
金額の大小でもない。
ゼロだった数字が、初めて動く。
その瞬間を見てみたいのである。
幸い、挑戦そのものは楽しい。
記事を書くのも楽しい。
AIと相談するのも楽しい。
音楽を作るのも楽しい。
読者の方からコメントをいただくのも嬉しい。
だから続いている。
もし収益が出なかったとしても、何も残らないわけではない。
文章を書く習慣が残る。
知識が残る。
経験が残る。
人とのつながりも残る。
実際、この四週間だけでも私はずいぶん多くのことを学んだ。
そして、おそらくこれからも学ぶのだろう。
収益はまだ0円。
だが、挑戦は続いている。
そして私は少し楽しみにしている。
いつか収益画面を開いた時、そこに初めて数字が表示される瞬間を。
人生で一度しかない、その瞬間を。
