60代、AIで夏の定番曲づくりにチャレンジ――ブラジル風ファンク――
夏になると、毎年どこかで流れてくる曲がある。
イントロを聴いただけで、海や青空が浮かぶ。
何年経っても「あの夏」を思い出す。
そんな夏の定番曲を、自分でも作れないだろうか。
しかも今回は、AIをかなり本格的に使って。
60代から始めた私のAI作曲。
少し欲張って、「夏の定番曲」に挑戦してみることにした。
※既に過去のステップバイステップ作曲シリーズで作曲の技法については詳しく説明していますので、SUNOとチャットgptを活用した作曲については過去記事もご参照ください。
まず、どんな夏の曲にするか
今回、最初に考えたのはメロディではなかった。
どんな夏を描きたいのか。
爽やかなだけでは、少し物足りない。
かといって、洒落たボサノバに寄せすぎるのも違う。
海辺をドライブしながら、思わず口ずさみたくなる。
ノリがよくて、少し軽薄。
でも、どこか心地いい。
そんな曲にしたかった。
そこで考えたのが、
Funk × Bossa Nova × Fusion
という組み合わせだった。
ファンクのグルーヴ。
ボサノバの軽やかさ。
そこに、現代的なフュージョンの音を加える。
そして、もう一つ。
歌詞はポルトガル語にした。
なぜポルトガル語なのか
ポルトガル語には、不思議な響きがある。
ラテン系の言葉でありながら、どこか柔らかく、時にはフランス語のような優雅さも感じる。
何より、ボサノバとの相性は抜群だ。
今回のタイトルは、
『Luz do Verão(夏の光)』
とした。
歌い出しは、とてもシンプルだ。
Luz do verão
No vidro do bar
「夏の光」
「カフェの窓ガラス」
そして、
Seu sorriso acende
Meu lugar
「君の笑顔が、僕の居場所を照らす」
夏の日差し。
海辺のカフェ。
好きな人の笑顔。
温かな砂浜。
青い空。
潮風。
二人で歩く海辺。
特別な事件は何も起きない。
でも、あとから思い返す夏というのは、案外そんな一日だったりする。
夏の歌だから、難しいことは歌わない
サビもシンプルにした。
Luz do verão
Meu amor
Vento do mar
Vem cantar
「夏の光」
「愛しい人」
「海風よ、歌いにおいで」
ただ、それだけ。
今回は、細かな物語を説明するより、聴いた人が自分自身の夏を勝手に重ねられる曲にしたかった。
後半では夕暮れの海辺へ移り、
最後は、
Nosso verão
Sempre será
「僕たちの夏は、いつまでも」
で終わる。
もちろん、本当は夏は終わる。
恋だって終わるかもしれない。
それでも、ある夏の景色だけは、不思議なくらい長く心に残る。
そんな曲にしたかった。
そして、AIで「曲」にしていく
ここからが今回の実践編である。
作詞は、AIとの合作。
私が情景やストーリー、言葉のニュアンスを考え、それをAIとやり取りしながらポルトガル語の歌詞へ仕上げていった。
一方、作曲についてはAIが主体だ。
だから、「全部自分で作曲しました」と言うつもりはない。
ただし、ボタンを一回押して完成、というわけでもなかった。
聴いてみる。
違う。
また作る。
「もっとキャッチーに」
「ホーンを前へ」
「ファンクを強く」
「でもボサノバの軽さは残したい」
「もう少し夏らしく」
また聴く。
まだ違う。
また作る。
これを繰り返した。
AI作曲をやってみて分かったこと
面白かったのはここだった。
AIは、確かに曲を作ってくれる。
しかし、
「自分が何を作りたいのか」までは決めてくれない。
ここが意外に大きい。
建築に例えるなら、
私は設計者。
AIは、とても腕のいい職人。
そんな関係に近い。
設計者が、
「なんとなく格好いい家をお願いします」
と言っているだけでは、なかなか思い通りの家にはならない。
音楽も同じだった。
どんなリズムなのか。
どんな景色なのか。
誰が聴くのか。
どんな気持ちになってほしいのか。
それを自分なりに考えるほど、AIへの注文も具体的になっていった。
60代からでも、音楽を作れる時代になった
これは、私にとってかなり大きな変化だ。
少し前まで、一曲を形にするには相当なハードルがあった。
楽器を弾く。
コードを覚える。
編曲する。
録音する。
歌う。
ミックスする。
もちろん、それらを自分でできる人の価値がなくなったわけではない。
むしろ、実際にAI作曲をやってみると、音楽の知識があるほどAIを上手に使えることも分かってくる。
ただ、入口は猛烈に広くなった。
60代からでも、
「こんな曲を作ってみたい」
というところから始められる。
これは素直に面白い。
完成した『Luz do Verão』
完成した曲を聴き返してみると、最初に想像していた以上に肩の力が抜けた曲になった。
ホーンが鳴る。
リズムギターが刻む。
コーラスが重なる。
ファンクのグルーヴの中に、ボサノバの風が少し吹く。
情熱的。
キャッチー。
そして、いい意味で通俗的。
私は気に入っている。
夏の音楽は、それくらい気軽な方が似合う。
AI時代になって、逆に人間の仕事が見えてきた
AIは、これからもっと上手に音楽を作るようになるだろう。
もしかすると、数年後には今よりはるかに簡単に、プロ顔負けの曲が作れるようになるのかもしれない。
それでも、
「こんな曲があったら楽しい」
「今年の夏は、こんな景色を音楽にしたい」
そう思う最初のひらめきは、人間の側に残る。
私はAIを「代わりに作ってくれる存在」というより、一緒に作品を育てる創作パートナーとして使ってみたい。
60代になってから、まさか自分がポルトガル語の夏のファンク・ボサノバを作るとは思っていなかった。
だから、面白い。
人生はまだ、知らない遊び方を残している。
もしこの夏、ドライブに出かけることがあれば、窓を少し開けて聴いてみてほしい。
『Luz do Verão』。
この曲は、きっと夏の風によく似合う。
▼ Luz do Verão(夏の光)
今日の持ち帰り
AIが作品を作れる時代だからこそ、「自分は何を作りたいのか」を考えることが、人間の一番大切な仕事なのかもしれない。
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【60代から始めたもう一つの挑戦】
人生再点火の一環として、小説創作にも取り組んでいます。
現在、TALESにて童話を公開中です。
noteとは少し違う世界ですが、こちらも私の大切な創作活動です。
興味をお持ちいただけたら、ぜひご覧ください。
▼ TALES作品ページ
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