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シニアの認知予備力を高める趣味ベスト5――脳の貯金は、60代からでも間に合う――

雨上がりの朝だった。

窓を開けると、濡れた木々の匂いが風に乗って流れ込んでくる。

コーヒーを片手に庭を眺めながら、私は最近の自分の生活を思い返していた。

noteを書く。

AIを使う。

YouTubeに音楽を公開する。

水泳を続ける。

収益化などという慣れないことにも挑戦している。

振り返ってみると、六十代になってから新しく始めたことがずいぶん増えた。

忙しいと言えば忙しい。

だが不思議なことに、以前より頭がよく回るような気もする。

もちろん気のせいかもしれない。

そこで少し調べてみた。

すると、「認知予備力(Cognitive Reserve)」という言葉に出会った。

認知予備力とは、簡単に言えば「脳の貯金」のようなものだ。

加齢や病気によって脳に変化が起きても、それを補う力が大きい人ほど認知機能を保ちやすいと考えられている。

認知症予防というと、特別なサプリメントや脳トレ教材を思い浮かべる方もいるかもしれない。

しかし、実際の研究を調べてみると、もっと身近な活動に注目しているものが多かった。

実際、2003年に医学誌『The New England Journal of Medicine』に掲載された Verghese らの研究『Leisure Activities and the Risk of Dementia in the Elderly』では、75歳以上の高齢者469人を約5年間追跡調査している。

その結果、読書、ボードゲーム、楽器演奏、ダンスなど、一部の認知的余暇活動への参加頻度が高い人ほど、認知症リスクが低い傾向が見られた。

ただし、この研究は観察研究であり、「この趣味をやれば認知症を予防できる」と証明したものではない。

論文の結論も慎重で、「余暇活動への参加は認知症リスク低下と関連しているが、因果関係を証明するにはさらなる研究が必要である」としている。

それでも、この研究は非常に興味深い。

なぜなら、認知症予防というと何か特別なことをしなければならないように思えるが、この研究で注目されたのは、

・読書
・ボードゲーム
・楽器演奏
・ダンス

といった、ごく普通の余暇活動だったからである。

つまり、

「頭を使う」

「身体を使う」

「人と関わる」

という活動そのものに意味がある可能性が示唆されている。

出典:

Verghese J, Lipton RB, Katz MJ, et al.

Leisure Activities and the Risk of Dementia in the Elderly.

The New England Journal of Medicine.

2003;348(25):2508-2516.

DOI:10.1056/NEJMoa022252

さて、この研究を参考にしながら、日本のシニア世代が始めやすい趣味を私なりに考えてみたい。

【第5位 囲碁・将棋・麻雀】

論文ではボードゲームが挙げられていた。

日本なら囲碁、将棋、健康麻雀が近いだろう。

考える。

覚える。

相手の手を読む。

しかも人との交流も生まれる。

脳への刺激としてはかなり優秀な趣味だと思う。

【第4位 読書】

最も手軽に始められる趣味かもしれない。

小説でも歴史でも旅行記でも良い。

本を読むという行為は、他人の人生や知らない世界を疑似体験することでもある。

最近は電子書籍も充実している。

老眼に優しい時代になった。

【第3位 音楽】

楽器演奏。

合唱。

カラオケ。

どれでも良い。

音楽は記憶、感情、運動を同時に使う。

私自身、最近はAIを使って作曲を楽しんでいる。

若い頃には想像もしなかった趣味だが、思いのほか頭を使う。

【第2位 運動】

ウォーキング。

水泳。

ダンス。

何でも良い。

身体を動かすと気分が良い。

よく眠れる。

そして何より継続しやすい。

私は水泳を続けているが、新しい泳法を覚えるたびに、自分の脳がまだ学習していることを実感する。

【第1位 新しいことを学ぶ趣味】

これが一番大切だと思う。

AI。

パソコン。

動画編集。

写真。

外国語。

ブログ。

何でも良い。

大切なのは「初めて」に触れることだ。

脳は慣れた作業よりも、新しい刺激に強く反応する。

六十代になると、

「もう今さら」

という言葉を使いたくなる。

だが、その「今さら」が脳には一番良いのかもしれない。

こうして並べてみると、少し面白いことに気付く。

私が最近始めたことばかりなのである。

note。

AI。

作曲。

水泳。

収益化への挑戦。

認知症予防のために始めたわけではない。

面白そうだから始めただけだ。

だが結果として、それらは認知予備力を高める活動だったらしい。

六十代になって思う。

老化防止というと、失わないための努力のように聞こえる。

しかし本当は違うのかもしれない。

新しいことを始める。

少し続ける。

少し失敗する。

そして少し上達する。

その繰り返しが、脳の貯金になっていく。

そう考えると、歳を取るのもなかなか悪くない。

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