EW&Fみたいな曲を作ってみた――ブラジル風お祭り曲に挑戦――
夜も十時を過ぎていた。
パソコンから流れるのは、何度も聴き直した自分の曲。
『Carnaval de Agosto』。
ブラジル風盆踊りをイメージして作った一曲である。
……我ながら、なかなか変な発想だ。
日本には盆踊りがある。炭坑節は、何十年たっても色あせない名曲だと思う。
そのとき、ふと妙なことを考えた。
もしEarth, Wind & Fireが、盆踊りを演奏したらどうなるだろう。
ホーンが鳴り響き、
リズムギターが刻まれ、
歌詞は詩的な響きを持つ、ポルトガル語。
そんな「ありそうで、どこにもない音楽」を作ってみたくなった。
その思いつきが、この曲の始まりだった。
最初に決めたのは、「踊れること」だった。
ブラジル風であっても「盆踊り」なのだから、まず身体が動かなければ始まらない。
しかし、ただテンポが速いだけでは面白くない。
Earth, Wind & Fireを改めて聴き返して気づいたのは、派手なホーンよりも、一度聴いたら口ずさめるメロディの美しさだった。
そこでAIへの指示も何度も書き直した。
「ファンクらしさ」だけではなく、
「耳に残るメロディ」。
「豊かなコーラス」。
「歌いたくなるサビ」。
そんな要素を少しずつ加えながら、方向性を探っていった。
歌詞も最初は説明が多すぎた。
恋をした。
別れた。
忘れられない。
それでは物語になってしまう。
そこで思い切って削った。
残したのは、
八月の太陽。
祭りの灯。
潮風。
汗ばむ夜。
そんな情景だけである。
その続きを想像するのは、聴く人に委ねた。
ポルトガル語も、意味だけではなく響きを大切にした。
ホーンの切れ目に自然に入る母音。
歌ったときの心地よさ。
日本語にはないリズム感。
その響きも、この曲の大切な楽器の一つになっている。
そして、一番時間を使ったのは、実は「削ること」だった。
AIは、たくさんのアイデアを出してくれる。
しかし、
何を残すか。
何を削るか。
そこだけは、人間が決めるしかない。
完成した曲は、最初に頭の中で鳴っていたものとは少し違う。
でも、その違いこそが創作なのだと思う。
試行錯誤を繰り返すうちに、自分でも思いがけない場所へたどり着く。
それが創作の面白さなのだろう。
ブラジル風盆踊り。
改めて文字にすると、やはり妙である。
でも、その妙な思いつきこそ、新しい作品の入口なのかもしれない。
最近は、「そんなことをやって何になるの」と笑われそうな思いつきほど、大切に育ててみようと思っている。
案外、その先にしか、新しい作品は待っていないのかもしれない。
▼『Carnaval de Agosto』
よろしければ、ぜひ聴いてみてください。
今日の持ち帰り
創作は、少し馬鹿げた思いつきから始まる。そして最後まで育てた人だけが、作品に出会える。
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【60代から始めたもう一つの挑戦】
人生再点火の一環として、小説創作にも取り組んでいます。
現在、TALESにて伝奇ミステリー小説を公開中です。
noteとは少し違う世界ですが、こちらも私の大切な創作活動です。
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