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inagakijunya
学生時代のパニック発作。
体育祭や合唱祭は、私にとって少し特別な行事だった。
友達と過ごす時間は楽しい。
みんなで準備をしたり、本番に向けて頑張ったりするのも嫌いではなかった。
ただ、人がたくさん集まる場所が苦手だった。
途中で抜け出せない空間。
静まり返った体育館。
大勢の人の視線。
行事が近付くと「また具合が悪くなったらどうしよう」という予期不安が強くなった。
そして、その不安が実際のパニック発作につながることも多々あった。
そんな頃の私には、お守りのようなものがあった。
小さなガムのかけらだ。
制服のスカートのポケットに忍ばせておいて、苦しくなった時に口の中へ入れる。
不思議なことに、ガムを口に含むと少しずつ気持ちが落ち着いてくる。
もちろん発作そのものがなくなるわけではない。
でも「大丈夫かもしれない」と思えた。
そのおかげで体育祭や合唱祭にも参加できたし、友達と楽しい時間を過ごすこともできた。
今思えば、あの小さなガムは私にとって安心を持ち歩くためのお守りだったのかもしれない。
