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「ハニワと土偶の近代」展に行ってきた!


ルポ「ハニワと土偶の近代」展

稀代の出不精が今年イチの本気を出す!

 私、稀代のインドア派であり出不精、「室内大好きマン」です。そのため、国内旅行はおろか、仕事でなければ遠出なんてめったにしません。もちろん、海外旅行は生まれてこの方一度も経験がありません。したがって、あのコロナ禍の引きこもり期間も、メンタルやられることなく、全くの平常運転でした。

 私は本業が休みのときは、仕事をしている(副業の小論文・志望理由書の添削や採点)か、家でnote記事(主に小論文・志望理由書関連)を書いているかです。で、夜にラジオ番組をrazikoで聞きながら晩酌して、その後夜中3,4時くらいに寝ます(寝られないときは寝ながら動画見ている)。しかも圧倒的夜型。本業も夕方から夜10時くらいまでの仕事なので、そういうサイクルで生活するのがもう習慣化しています。つまり午前中でも朝早くは間違いなく寝ています。そんな私が今回、今年イチのやる気を出して、とある企画展に行ってきたよ、というお話しです。

残されたラストチャンス!

 当日10時半起床。世間の社会人たちにとっては信じられないことでしょうが、私にとってはまだ眠い時間です。顔もちょっとむくんでいます(酒飲みすぎ)。顔を洗い歯を磨き、目を覚まさせるためにシャワーを浴びます。で、朝ご飯を軽くいただき、仕度をします。

 今日のミッションは、東京国立近代美術館で今開催中の「ハニワと土偶の近代」展に行くことです。もう今日を逃したら行く機会がない!なぜなら、開催は今月22日までだからです。本業も休みの日で副業の仕事依頼もない本日が、残されたラストチャンス。行くっきゃない(土井たか子)!

 私もともと美術、芸術大好きです。なぜなら、哲学科で美学・芸術学専攻、若い頃はよくギャラリー巡りをしたものです。ちなみに推しのアーティストはデビット・ホックニーなど。ということで、出不精ではありますが、今回のチケットをとあるところからいただいてから、今日のこのときを楽しみにしていました。

東京国立近代美術館についに来た!

 調べると一番の最寄り駅は地下鉄東西線の竹橋駅とのことでしたので、まずは電車で乗り継ぎつつ竹橋駅に向かいました。ちなみにこの駅は初めて降りました。へえ、毎日新聞の本社ってここにあるんだね。知りませんでした。

 この駅から歩いて3分くらいのところに東京国立近代美術館があるらしいですが、ここで遅い昼飯としました。朝もそんな食べていないので、ちょっと腹が減りました。

 いったん、地上に出ましたが何も店がなさそうだったので、駅に併設するようにある駅ビルというか毎日新聞社の本社ビル内の飲食店フロアに行き、エスニック料理屋を発見(エスニック料理好き)!看板でランチメニューを見ると好物の「カオマンガイ(蒸し鶏とご飯のセット:タイ料理)」があったので、その店に入りました。いわゆる「インネパ系の店」なのでたぶん「カレーとナンのセットにラッシー」が正しいんだと思います(周りの人はみんなカレーでした)が、今日はあまりカレーの気分ではなく、しかももうタイ料理の口になっていたので私はカオマンガイ一択。でも、味はおいしいし量も十分。満足でした。しかもサラダもスープも飲み物もついて1050円のランチは都内では安いです。ここも満足ポイント。

(いただいたカオマンガイ!うまし!)

「ハニワと土偶の近代」展とは?

 ついに来ました東京国立近代博物館!

(来たぞー!写真下手ですみません。)

 この「ハニワと土偶の近代」展は、簡単に言えば、「ハニワと土偶が近代社会においてどのように受容され、扱われていったのか、それを多くの文化作品や芸術作品から見ていこうぜ!」という企画展。全部で4章立ての企画展で、章ごとにコーナーが設けられ、それに応じて作品が展示されています。ここでも、その章に準じてレポートしていきましょう。

序章 好古と考古―愛好か、学問か

 まずここでは、ハニワと土偶がどのように近代の初期でどのように見られてきたのか、それを「好古」と「考古」という二つの観点から見ていきます。出土したハニワや土偶の魅力にいち早く気付いたのは好古家(いわゆる骨董品を愛でる趣味家)の人でした。ここでは、それらの芸術的価値が発見されました。そしてそれと同時に、明治時代には西欧から考古学が輸入され考古学者も誕生。彼らは、ハニワや土偶に、日本の昔を探るヒントとなる歴史的・学問的価値を見出します。

(ちなみに写真撮影が可の作品と不可の作品がありました。動画は不可。)


佐藤蔀〈考古図譜より 大/人形/図 正面〉1887年頃 いわゆる遮光器土偶の模写。


1章 「日本」を掘り起こす―神話と戦争と

 時は日本の近代化まっさかり。日本は世界の一流国の仲間入りをするべく、近代国家としての地位の確立に努めます。そのためには、日本が「万世一系の歴史ある国家」であることを内外に知らせる必要がありました。そのため、古事記や日本書紀にある日本の歴史の現実的根拠として、ハニワや土偶が採用されることになりました。つまり、記紀にある神話的世界の実在の根拠としてハニワや土偶が持ち出されたのです。その結果、武人のハニワを基にして神武天皇が描かれるなどしました。それは日清・日露戦争の勝利を経て紀元2600年になると、台頭するナショナリズムとあいまってますます大きな潮流となり、その流れで日中戦争へと入っていきます。そして、第二次世界大戦時にはハニワの柔和で簡素な顔が日本人の純真性を示すものとして称揚され始めます。つまりハニワは国威発揚のための戦争の道具として扱われたのです。その一方で、モダニズムの作家たちはハニワの顔のシンプルな抽象性に注目。ここから、「日本には古代から抽象芸術があったのだ」という解釈を展開。戦時下には、「抽象芸術は西洋から輸入された新進気鋭のアート・ムーブメント」という考えの書き換えを行い、ハニワを用いて「日本は世界に先んじて、古代から抽象芸術の営みがあった」という読み替えをしました。


中村直人『草薙剣』1941年

2章 「伝統」を掘り起こす―「縄文」か「弥生」か

 戦争が終わると、敗戦した日本は多くの価値観の変更を余儀なくされました。日本神話を基にした日本の歴史は全否定される中、科学的で実証性のあるものとして日本の歴史を再編していく流れが起こります。登呂の軍需工場跡から遺跡が発掘され(登呂遺跡)、そこで出土したハニワから弥生時代の農民の暮らしが研究されていきました。こうした流れの一方で、戦後日本の現代美術家たちは土偶に潜むプリミティブな縄文文化の魅力を再発見します。そして、それを自身の作品にフィードバックすることで、新たな芸術作品を創作していきました。


岡本太郎『犬の植木鉢』1954年 かわいい!使徒みがある!

3章 ほりだしに戻る―となりの遺物

 経済復興を遂げた日本社会で、一般的に認知されることになったハニワや土偶は、ポップカルチャーやサブカルチャーにも影響を与えていきます。まさに大衆文化内において、資本主義社会での新たな価値の創造とその消費が始まったのです。ここにおいては、ハニワや土偶は「生活のとなりにいるポップなキャラクター」として扱われています。いまや、ハニワの素朴で柔和な顔や土偶のモンスター的な魅力や愛らしさは、たとえば特撮映画「大魔神」子ども番組「お~い!はに丸」に受け継がれています。

(特撮好きとしてはこれが見たかった!これを見ることがこの企画展での「裏テーマ」でした。大魔神すごい!)


高山良策『大魔神』 迫力!


大魔神の公開時ポスター

みやげものコーナーへ

 出口では「みやげものコーナー」が展開。私の前を歩いていた女の子と母親は企画展グッズを爆買いしていました(笑)。母親ははしゃぐ女の子に「お小遣いの範囲内で買ってよ!」とたしなめながらも、自身も結構買っていましたね(笑)。それに押されて、ではないが、私もポストカードを記念の品として5枚購入。ちなみに私はハニワも好きですが、特に遮光器土偶ラブ。なので、ポストカードは土偶多めでした(笑)。

(こいつがいると思ったのですが、今回の企画展にはいませんでした。残念!!カプコンの格闘ゲーム「ヴァンパイア」シリーズに登場する、遮光器土偶をモデルにしたロボット「フォボス」)


フォボス ©CAPCON

まとめ ~お帰りは「はに丸くん」が見送ってくれました!~

 出口では、等身大の「はに丸くん」とお供のお馬の「ひんべえ」がお見送り(※動きません)。みんな、ここで記念写真を撮っていました。

(はに丸くんかわいい)


はにゃ!

(ひんべえもかわいい)


ひひーん!

 このあと、帰路に着きました。平日ですが人はとても多かったです。最終日近いからですかね。だから、館内はすごく暑かったですね。

 文化や芸術作品がそのときの国家や時勢によくもわるくも利用されるというのは「あるある」なことで、ハニワや土偶もその例に漏れなかった、ということが今回の企画展を見てわかりました。

 ここでは撮影不可だったので撮れませんでしたが、力尽きた日本軍の航空兵を抱きかかえる、ハニワからモチーフを得た古代の武人の絵(蕗谷虹児『天兵神助』。なお、上掲の東京国立近代美術館の企画展紹介ページには掲載されています)がありました。このようにしてハニワも戦争の道具として使われてしまったのだとダイレクトにわかり、衝撃的でした。やはり、今の時代のように、同じ桂甲武人でも「はに丸くん」のように「かわいい文化」として消費された方が平和でよいですよね。くしくも、日々の平和の尊さと大事さを痛感した企画展でした。

(なお、館内での解説音声は、はに丸くんの声を担当した声優の田中真弓さんが担当。これ、後から知りました。あー、知ってたら、解説音声機借りてましたね。なぜならアニメ『魔神英雄伝ワタル』の主人公戦部ワタルの声を担当しており、私はこの作品をすごく愛しているからだ!おー、ワタル君が私のために解説してくれるなんてー!うわー!すげー!……やばい、オタクがだだ洩れてきたーどりゅりゅりゅ……


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〆野 友介 「記事が参考になった!」と思われる方がいましたら、サポートしていただけると幸いです。いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!