「別れる」か「分かれる」か
更新日:2025/11/23
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導からよく見かける、中高生の間違えやすい表記を紹介し、世の中高生・受験生に警鐘を鳴らすのが、このシリーズ【間違えやすい表記】。
今日は「別れる」と「分かれる」についてです。この漢字表記を取り違えるケースを中高生の作文や小論文・志望理由書では多く見かけます。これらの書き分けについて、今日はお話ししていきます。
先日も「意見が『別れる』」という記述を見かけました。正しくは「意見が『分かれる』」です。このように、取り違えるケースをまま見かけます。
この「二つのわかれる」について、辞書には以下のような記載があります。
わかれる【分かれる】(自下一)①分けた状態になる。別々になる。「紅白に―」②一つであったものが、(そのところから)いくつかになる。「道が―・意味が―・意見が―」
わかれる【別れる】(自下一)①いっしょにいた人たちがはなれて、会わなくなる。「友人と―・さようならを言って―」(⇔会う)②親密だったひとたちが、まじわりを絶つ。「夫婦が―〔=離婚(リコン)する〕(後略)
これで明らかのように、「分かれる」は「分離・分割」の意味であり「一つのものが別々の状態になる」ことです。一方、「別れる」は「別離」の意味であり、「人と人とが離れる」ことを意味します。よって、前述の「意見が『わかれる』」は「分かれる」が正しいです(上記の表記例にもそうあります)。
ダメ押しで「読売スタイルブック2020」の用字用語集も確認しておきます。
わかれる
=分かれる(分岐・分離)意見が分かれる、紅白に分かれる、勝負の分かれ目、本流から分かれる、道が分かれる
=別れる(別離)生き別れ、改札口で恋人と別れる、家族と別れて住む、けんか別れ、子別れ、永の別れ、仲間と別れ別れになる、物別れに終わる、別れ際、別れ話。
「意見が分かれる」は文章を書き慣れた人やほとんどの大人はまず間違えないでしょう。しかし、上記の「物別れに終わる」は注意する必要があります。なぜなら、これは「意見が分かれた状態に終わる」ことであるため「物『分かれ』」なのか「物『別れ』」なのか少し迷いそうだからです。
再び辞書を引きます。
ものわかれ【物別れ】(名)意見が一致(イッチ)しないで別れること。「交渉(コウショウ)が―に終わる」
つまり「意見が分かれる」とは「意見が一致しないで別々になる」ということですが、「物別れ(に終わる)」とは「意見が一致しないで別々になった状態のまま人と人とが離れる(状況で終わる)」ことであり、「意見が分かれた」ことを前提にして「人と人とが離れる」ことだと言えます。「物別れ」と言った場合は「人と人とが離れる」具体的なシチュエーションがそこにあると言えるでしょう。
以上を踏まえて、「分かれる」と「別れる」とを適切に使い分けるようにしてください。
(検索では以下の文献にお世話になりました)
三省堂国語辞典 第七版
読売スタイルブック2020
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