小論文・志望理由書の「型(構成)」は何でもいいが……。
更新日:2026/01/14
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、文章作成における基本事項を紹介するのが、このシリーズ【文章作成の基本】
(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)
小論文の「型(構成)」は何を選んでもよい
受験小論文の参考書やビジネス文章作成のハウツー本など、文章作成術の本では、文章の「型」が紹介され、それに沿って構成していくように指導しているものが大半です。そのためか、どの文章の「型」が一番有用かということが、時折、議論の的になるようです。
たとえば、「noteの記事を『PREP法』で書くこと」の是非を論じたnoteの記事を以前見かけ、興味深く読みました。たしかに文章の構成や「型」はとても重要であり、同じ内容であっても、文章構成によって読み手に与える効果や説得力は変わってくるので、それは至極当然な疑問だと思います。そこで思い出したのは、過去に生徒から度々「どの参考書の小論文の『型』や書き方がよいか」と聞かれたことでした。もちろん、それに対して最初は、その都度、各々の「型」の優劣を論じていたと思います。しかし、最近の私の見解としては「どちらでもいい」、「『型』はなんでもいい」です。
PREP法とは、結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)の頭文字であり、それに従った文章構成である。
こう言うと、あなたには文章作成の指導者としてのプライドはないのか、と言われそうですが、私にはプライドもありますしそう言う論拠もあります。まあ、続きを聞いてください。
そもそも「型」というのは、「文章作成においてなければならないもの」ではありません。「あったら助かるもの」です。文章作成が苦手な人が文章を作成するに当たって、「型」があるとその学習も捗ります。「何でも自由に書いていいよ」と言われても、苦手な人はどうやって書いていいかわからないわけですから、困ります。だから、「型」を提示することで、それが手本や指針となり、「どうやって書くのか」ということが視覚化され学習しやすいわけです。
しかし、文章が書けるようになるとは、「型」通りに忠実に書けるようになることなのでしょうか。それをまず、考えてみてはどうでしょう。
この場合、「型」とは、いわば自転車の「補助輪」です。最初は、自転車をどうこいでいいかわからない、「とにかく走れ!」と言われて走ったところでバランスを失って倒れてしまいます。そこで、それでは「補助輪」を付けましょう、という話になります。すると、それをバランサーにして、走る感覚を学ぶことができます。やがて徐々に慣れてきたら片側だけ外してみよう、もう十分に慣れたから全部外そうとなって、こうして最終的には補助輪なしで自転車に乗れるようになるはずです。
「型」によって、論の構成の組み立てられ方やバランスやその重要性を理解してくれればいい、と私は思っています。小論文や志望理由書はこうやって書くのだという手ごたえや体感を得てくれればよいと思っています。そして何回か書いて慣れた後に、それらを十分会得してくれたなら、そこから先は「型」にとらわれずに自由に書いて欲しいし、それが、本来の「文章が書けること」だと、私は思うのです。ですから、その手段である「型」、たとえばそれが大学受験小論文の「型」であるなら、東進の○○先生流でも駿台の△△師流でも何でも構いません。また、どの先生の参考書や小論文の書き方本は生徒には違ってみえるでしょうが、(私が見るところでは)そう大きく違いはありません。言っている表現や文言が違うだけで、本質的には同じです。したがって、「どちらでもいい」のです。
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