「『医志』のある医学部志望者こそ『総合型選抜』で医学部を受けるべき!」 その3つの理由とは?
更新日:2025/05/13
「医学部の難関化」は依然衰えない状況の中で、「本当に医師になりたい子」が夢を散らしていく現状
医学部の難関化がとまりません。
医学部志望者なら、いや大学受験生なら誰しも知っていることですが、医学部はさらに難関化しています。この少子化で大学受験そのものは易化しているさなか、医学部受験に限っては「多浪」もあり得るのです。
【ランキング】医学部の偏差値を比較 私大医学部の最難関は慶應、2位はどこ?(朝日新聞)
上記の朝日新聞の2024年の記事によれば、「ランキング1位は、共通テストのボーダー得点率が92%、2次試験の偏差値が72.5の東京大学理科三類」、「神戸大学医学部医学科は、東京大学理科二類よりも難しい」、「1位の慶應義塾大学を筆頭に、全国すべての私立大学医学部が偏差値60.0以上」とのこと。軒並み医学部は30年程前に比べると難関化しているのは事実です。
実際、私も長く、医学部受験専門予備校で医学部志望者を指導していた経験がありますから、これはわかり過ぎるくらいわかります。何度、受験生と「突きつけられた残酷な結果」に直面して泣いたでしょうか。特に私は教科指導ではなく「書類(志望理由書など)選考・小論文試験・面接試験」といった通称「二次対策」の指導担当でしたから、その生徒一人ひとりの『医師になりたい熱意』は、日々の指導の中で、つまり「志望理由書の作成」や「模擬面接」を通してよく知っていました。しかし、そうした彼らの「想い」が医学部に届くことはなく、残酷にも「教科試験の偏差値・得点不足」という理由から、「夢を夢のままで終わらせてしまう」のを多く目の当たりにしてきました。
春なのに、多くの桜の花が咲くことなく、そのほとんどははかなく散っていくのです。
(私は小論文・作文指導者です。今でも、年間3000枚程の志望理由書や小論文の添削指導に当たっています。私の経歴や今の活動についてはこちらの自己紹介記事にまとめています。)
また私は、祖父が医師、父や叔父が歯科医師、他の親戚が医療関係者という「医療者一家」の出身です。医学部志望者の多くにはこうした「医療者一家」の人間が多くいます。たとえば、「父の医院を自分が継ぎたい」というところから「医学部受験歴」をスタートしている子も少なくないのです。
ですから、彼らの気持ち、わかるんですよね。
私は、父が病に臥せったことで個人歯科医院を廃業し、その後その医院も土地も全て売却してしまいましたが、それらのお金のお陰で大学まで面倒を見てもらいました。とはいえ、父が働いておらず経済的には全く余裕がありませんから、私は、医学部や歯学部などという高い学費の学部の志望など考えることができるはずもなく、安い学費の文系学部に進学しました。
しかし、もしあの父の歯科医院があり続けていたら、私も、彼らと同じように医師や歯科医師を目指していたに違いありません。しかも私は一人っ子ですから、私が医院を継がなければならなかったはずです。医学部志望者には、そうしたかつての私と似た家庭事情の、「医師の息子や娘」が多くいます。そして「本当に医師になりたいという想い」から受験に臨んでいます。
ですが、「受験エリート」たちがその彼らの頭上を軽やかに飛び越えて「医学部合格」を果たしていきます。そんな中で、その彼らの想いがかたちになることはありません。もちろん、その「受験エリート」たちも血のにじむような努力をした上で「結果」を出したわけで、褒め称えこそすれそれを非難はしません。しかし、彼らと「父が元気で医院を続け、それを継ぐ未来があった『別宇宙』の私」とを重ねては、不合格だった彼らの無念さを、傍らにいる私は苦く噛みしめていました。
「医学部に入っても医師にならない人」がいる一方で「医師になるのにふさわしい人が医学部に入れない」。この現実の中で、医学部は本当に「医師になりたい人」を探している。
そうかと思えば、こうした事実もあります。
現役学生「東大医学部の4割が医者ではない道を選ぶ」という衝撃…過熱する医学部受験ブームで起きていること(PRESIDENT On-line)
上掲のプレジデント社の記事で、慶應義塾大学医学部の木下翔太郎特任助教は、「各大学の医学部には、強い医師志望ではなく成績が良いだけで医学部を受験する生徒がいる。大学受験における競争の頂点である東大理三も例外ではない」と言っています。そして、「東大医学部では4割が医師にならない」のだと言います。
医学部は文字通り「医師の養成機関」であり、そこを出て医師にならないというのは医学部に入った意味もメリットもありません。この木下氏も記事内で言っていますが、「医師養成課程である医学部を卒業して、医師の道に進まない、という学生は医学部全体でみればほんの僅かであり、特に東大以外の大学では非常に稀」と言っています。
しかし、これは「医師になる気がなく、受験競争の中でさらに偏差値上の高みを目指した末に医学部に入った」人が多くの割合いることの証左でもあります。そして、その背景に「医学部の難関化」があるのは言うまでありません。医学部は今や「受験レースを勝ち抜いたことのトロフィー」のように扱われているのです。そして、その陰に多くの「夢破れし者」がいることは言うまでもありません。
ただし、これは受験生にとってだけでなく、医学部にとっても全く望ましいことではないのです。医学部の設置や新設医科大学の設置は国が医療政策として決めることです。昨今それが増えたのは、もうすでに到来している「超高齢社会」の中で多くの高齢患者が出ることが見込まれており、そのため多くの医療従事者を養成しなければいけないからです。それなのに、「医学部を出たのに医師にならない人が多くいる」となるとこれは国の政策としても問題です。本当に「医師になりたい人」を、医学部は選抜の中で確保しなければなりません。医学部としても、手塩にかけて教育して、その学生が「医師になりません」とあっては「育て損」です。くしくも、2022年の新学習指導要領の改訂の柱には「(高大接続に伴う)大学教育改革」というのがあります。その影響もあり、今医学部の側も「本当に医師になる意欲と適性、資質がある人を選抜する」ための受験に、今シフトし始めています。
今や医学部の合格者の二割が「総合型選抜」合格者であるということ。
医学部入試最前線を駿台が解説「面接が合否を分ける、総合型選抜は新たなチャンス」(リセマム)
上掲のリセマム記事では、「今や医学部の合格者の二割が「総合型選抜(旧AO入試)」合格者である」と言っています。「割合として少ない」と思われるかもしれませんが、これは「教科試験の得点や偏差値の勝負」だと考えられている医学部受験においては、「思った以上に多い」と言わざるを得ません。
ちなみに、これは、「大学受験全体の潮流」でもあります。今、大学教育改革の一環として、総合型選抜は全体的に増えており、これは医学部も例外ではないのです。どの学部も「単に試験の得点が高い子」を選抜するのではなく、「本当にその学部の学びを意欲的に取り組みたい子」を選抜しようとしています。ここでは「今まで学んだことの結果(試験の得点や成績)」よりも「今まで及びこれからの学びに対する意欲や取り組み、その姿勢」が評価の対象となります。そして今後も、この流れは続くはずです。
つまり「医学部で医学を学び、本当に医者になりたい」という受験生の意志が評価される選抜に変わりつつあるのです。上掲の記事では柔道の朝比奈沙羅選手が、高校生時代の「悔しい医学部不合格の経験」をばねに、4年制大学卒業後、総合型選抜(旧AO入試)によって悲願の医学部合格を果たしたことが書かれています。このように、総合型選抜によって医学部合格を手にする時代が到来したのです。
さて、……ここまでお読みいただいた方は、「医学部志望者」かその保護者か関係者の方のはずです。そうでなければ、この記事をここまでお読みになられないはずです。
しかも、医学部は志望しているものの、学力面に不安がある、しかし「是が非でも医学部に受かりたい!」、「医師になりたい!」……あなたはそんな「医師になりたい気持ちの強い」方なのではないでしょうか?
「絶対に医者になりたい!」、そんな『医志(※これは私の造語です)』をお持ちのあなたの、その『医志』が医学部に評価される選抜がここにあります。
それがこの「総合型選抜」なのです!
試験点数によって輪切りで評価する選抜ではなく、あなたという「人間」が総合的に評価される、つまりあなたのその「医師になりたい想い」も込みで評価される選抜なのです!「総合型選抜」も選択肢に加えて、あなたもその「医師になりたい想い」をかたちにしてみませんか?この記事をどう読めば、なぜ「医学部受験合格こそ『総合型選抜』で狙うことが妥当なのか」がわかるはずです。
……と言っても、いろいろと不安がありますよね。
「ただでさえ、教科試験の対策勉強が遅れているのに、総合型選抜用の対策を別にやる余裕なんてないんじゃないの?」
「総合型選抜の面接や小論文試験の対策をしているうちに、教科の勉強も間に合わなくなって、結局総合型も一般も受からないってことになるのでは?」
「そんな暇あるなら少しでも主要教科の勉強した方が得なんじゃない?」
そう考える気持ち、よくわかりますよ。でも、「そうではない」のです!特に医学部志望生は!むしろ他学部の志望生より、医学部志望生にこそ「総合型選抜」は合っているということがこの記事を読めばわかると思います。
そう言い切れる理由を3つ、この記事では挙げています。これを読めば、「あなたの医学部受験戦略」が大きく変わるはずです。この3つの理由を知れば、なぜ私が「医学部志望生こそ総合型選抜で受験せよ!」と言うのか、納得するはずです。
これは旧AO入試や旧指定校制入試の時代ですが、このやり方で、予備校講師時代の私は何回も「微妙な学力の生徒」を「口説き落として」医学部に送り出してきました。その予備校の中でも、英語や化学の先生が「あの子の成績じゃあ医学部なんて合格しないよ」と言われていたような子でも、「いや君なら、こっちの入試で十分勝負できる」と言って推薦型選抜で合格させた経験があります(医学部の推薦型選抜は「合格が確約されている」ものは一つもありません。一般選抜同様「普通に落ちます」)。
この記事では、今読んでいるそこのあなたを、この後「口説きたい」と思っています。きっと、この3つの理由を知れば、あなたの医学部受験観が大きく変わるはずです!あなたの『医志』で医学部合格を手にしましょう!
ただし、ここまで読んで「いや、それでも自分は『学力勝負』で医学部を勝ち取るんだ」という人は、ここから先は読まなくてよいです。これは何も、意地悪で言っているのではありません。人には向き不向きがあります。そう言い切るあなたは、本当に「教科試験勝負で医学部受験を戦える人」なのかもしれません。だとしたら、そんなあなたには「私のこの提案」は必要ないでしょう。英語や数学、理科などを得意教科にして、得点で、真っ向勝負で臨んでみてください。それが、そんなあなたには「向いている戦い方」なのかもしれません。
また「医学部は『大学受験の最高峰』だから受けるのであって、医師になりたいとか特に強く思っていない」という方も、ここから先は読む必要はありません。そういう考えの方を否定はしません。ですが、あなたにはこれから「私がする提案」は向いていないと思います。たぶん、あなたはこれから述べる「私が考える受験戦略」を活かしきることはできません。あえて、その「受験エリート」の道を突き進むのであれば、それもまた一つの「戦略」ですから、ダメだとは言いません。でも、「私の戦略」とは考え方が違うので、ここまでで読むのをやめてもらってかまいません。
ということで、以下から本題に入ります!
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