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小論文・志望理由書作成時に気になる!最後の「と」はいるのかいらないのか問題!~格助詞「と」の並列用法(並列助詞「と」の用法)について~

更新日:2025/11/12

 小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、文章作成における基本事項を紹介するのが、このシリーズ【文章作成の基本】。

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(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)


並列関係「と」に関する前々からの疑問

最後の「と」の扱いについて

 本日は、Xのある方のポストを見て、私も以前から気になっていたことだったのでそのことについて試みに調べてみました。

 その該当ポストではありませんが、それと類似する内容の質問がYahoo!知恵袋にあったのでまずはそれを引用します。

現代文法に関する疑問です。
格助詞「と」の用法として「~と~」のように、2つ以上の言葉を列挙する用いられ方がありますが(並列助詞とする場合もあるようです)、文を構成する際には、
「太郎さんと次郎さんとは兄弟です」と表記すべきで、
「太郎さんと次郎さんは兄弟です」のように最後の「と」の省略は誤りではないかと思っていたのですが、次男(小4)の国語の教科書にこうした記載があり、戸惑っています。厳格に考えれば誤りではないのでしょうか?

 つまり並列関係「AとB」とあった場合、「AとB『と』」と最後にも格助詞(並列助詞とも)「と」をつけるのが正しいのではないか、ということです。たしかにそちらの方が正しいと思われますが、最後の「と」を省くことが(特に口語=話し言葉表現では)多いようです。しかし、これがどこまで許容されているのか、私も厳密にはわからないんですよね。

 つまり、最後の「と」を省くのは……

① 話し言葉としてはよいが、書き言葉としてはダメ
② 話し言葉としてもよいし、書き言葉としてもよい

のどちらなのか、ということなんですよね。

 ほとんどの人には大した問題ではないと思うのですが、一応「小論文では話し言葉は避ける」というルールが暗黙のうちにありましてね。その表現が話し言葉かどうかを識別する必要があることがあります。ですから、仕事柄、常々気になっていました。ちなみに私は、添削時にこれを見つけたとき最初(20代~30代)は直していましたが、最近は直していません(許容しています)。でも、ちょっと気になったので調べてみましょう。

(なお並列関係・並列表現についてはこちらの記事でまとめています。)


最後の「と」について調べてみる

 まず辞書を引きます。

 三省堂国語辞典には記述はありませんでした。残念。

 他の辞書を当たります。

三[並助]いくつかの事柄を列挙する意を表す。「君―ぼく―の仲」
「幸ひの、なき―ある―は」〈源・玉鬘〉
[補説]並立する語ごとに「と」を用いるのが本来の用法であるが、現代語ではいちばんあとにくる「と」を省略するのが普通となっている。

デジタル大辞泉

 源氏物語の例文にあるように最後の「と」をつけるのが「本来の用法」であるようです。しかし補説では「いちばんあとにくる「と」を省略するのが普通」とあります。でも、この「普通」とは何においての普通ということなのでしょう。書き言葉としても省略するのが「普通」ということなのでしょうか。

 次に、文科省の「公用文作成の要領」に当たります。公式文書の文章作法としてはどうでしょう。ちなみに、学校で教えられるような「一般的な文章作法」はこの「公用文作成の要領」に準じています。

3.並列の「と」は,まぎらわしいときには最後の語句にも付ける。
例 横浜市と東京都の南部との間

公用文改善の趣旨徹底について(内閣閣甲第 1 6 号昭和 27 年 4 月 4 日)

 なるほど。「何と何とが並列されているかがまぎらわしいときに限り最後の『と』をつける」ということのようです。上記の例で言えば、「横浜市と東京都の南部の間」と最後の「と」を省いてしまうと「横浜市と東京都と」の南部の間なのか「横浜市と東京都の南部と」の間なのかわからないから、最後の「と」をつけて並列関係を明確にするということですね。

(イ)回りくどい言い方や不要な繰り返しはしない
(中略)
また、物事を並べて書くような場合には、意味を明確にする必要があるときを除いて、省略できる部分を削る。
例)教育費の増加と医療費の増加により → 教育費と医療費の増加により
話し言葉によるコミュニケーション及び書き言葉によるコミュニケーション
→ 話し言葉と書き言葉それぞれによるコミュニケーション

公用文作成の考え方(建議)(令和4年1月7日)

 基本は「省略できる部分を削る」という判断が正しいようです。ただし、前述の通り「意味を明確にする必要があるとき」に限って最後の「と」をつけるようです。現に、例文を見ると最後の「と」はありません。

 ……この辺で結論が出ましたね。

まとめ ~基本は最後の「と」は不要。しかしまぎらわしいときには最後の「と」をつけよう。~

 結論から言えば、話し言葉だからどうとか、書き言葉だからどうという線引きではなく、わかりやすい文章を書くという前提で最後の「と」が必要かどうかを考えた方がよいようです。考えてみれば当たり前でしたね。

 「基本的に最後の『と』は不要。ただし何と何を並列しているかがわかりにくいときは最後の『と』をつける」ということでした。

 これでスッキリしましたね(笑)。

 なお、「最後に『と』をつけるのは、漢文の『A与B(AトBト)』の名残」のようなポストがXにありました。由来については今回調べていませんが、前述の通り源氏物語にもある表現なので古語表現に由来することは間違いないでしょう。ただ、ことばは時代によって変わるもの。今は基本的にはいらないようですね。

(今回検索には以下のサイトにお世話になりました。)

(公用文作成のルールを知っておくと、基本的な文章作成のルールがわかります。こういう本を持っておくと何かと便利です。ちなみに「公用文作成の要領」は70年ぶりの大改訂(令和3年)。今持っておいて損はない?)

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