アドミッションポリシーは「入学者の最低要件」として考えて、志望理由書作成に臨もう!【志望理由書対策】
更新日:2026/03/18
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、作文・小論文・志望理由書作成における実践的な技法をレクチャーするのが、このシリーズ【文章作成の実践】。
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(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)
「アドミッションポリシーに応えること」が「志望理由書の必要十分条件」ではない。
志望理由書の作成において、志望先のアドミッションポリシーを参照するのが必要なことは言うまでもありません。その大学・学校がどのような生徒の入学を望んでいるのかを理解しなければ、「この生徒が欲しい」と志望先から思われるような、「訴求力」の高い志望理由書を書くことはできません。しかし、「アドミッションポリシーに応える」、つまり「自身がアドミッションポリシーとして掲げられている条件資格を十分に満たした人物であることを志望先に示す」ことは、志望理由書の「必要十分条件」とは言えません。すなわち、それは必要なことですが「それで十分」ではないのです。この辺を誤解している志望理由書が結構多いです。本日は、志望理由書作成において、アドミッションポリシーをどのように考えるべきか、まとめていきます。
アドミッションポリシーとは何か。
そもそも「アドミッションポリシー」とは何でしょうか。
アドミッションポリシーとは、その志望先の大学や学校の「入学者を受け入れる基本方針」です。一般的に、特色や教育理念などから、その大学や学校で最終的にどの学習段階に達すれば学位が授与できるのかといったディプロマポリシー(最終学習目標)が策定されます。そしてそれに合わせて、その目標を達成するためのカリキュラムポリシー(最終学習目標を達成するための学習過程)が策定されます。それに伴い、「入口」段階でどういう生徒の入学を希望するか(入学資格)というアドミッションポリシーが策定されます。7年前の大学改革によって、こうしたポリシーの策定が全大学に義務付けられました。
このように、アドミッションポリシーとは、簡単に言えば「うちの大学に入るには最低でもこの条件は満たしていないと困る」という入学者に課す最低条件のようなものです。ですから、これらの条件を満たしていることが必要ではありますが、「それらが満たされているから合格ですよ」という話ではないのです。ここを多くの受験生は誤解しています。
(アドミッションポリシーとは何か ※逆引き大学辞典WEB記事より)
(なお、各大学や専門学校のアドミッションポリシーは、各大学・学校のwebサイトもしくはパンフレットなどで確認することができます。)
アドミッションポリシーを理解した先が、志望理由書の「勝負どころ」。
したがって、志望理由書の作成において、アドミッションポリシーに十分に応えていることは「当然のライン」であって、質の高い志望理由書を作成するためにはそのポリシーを理解した先が「勝負どころ」と言えます。
たとえば、アドミッションポリシーに「入学者には思考力や判断力を求める」とあったとして、それに対して「私は思考力や判断力があります」と表明するだけでは、全く意味を成しません。たしかに、アドミッションポリシーにある人物像に自分が合致していることを示すのは必要なことです。それが「入学(希望)者の資格アリ」と評価される最低条件だからです。しかし、「合致しています」と表明したところで「合致していることを証明した」ことにはなりません。「あなたはやさしい人ですか」と聞いて、あなたが「はい。私はやさしい人です」と答えたとして、たったそれだけで、聞いた相手から「この人はやさしい人なんだな」という評価が果たしてなされるでしょうか。しかし、多くの志望理由書がこうした内容になってしまっています。
この場合は、自分にどのような思考力や判断力があり、それらがどういう経験から養われたのか、具体的な実績と共に述べるべきです。たとえば、「文化祭の実行委員を務めたことで、イベントを成功させるために企画を立案する思考力や、突然現場で計画通りに進行できなかった経験を通して臨機応変に対処する判断力を養った」など、具体的なエピソードを通して、自分が入学者にふさわしい資格を有していることを証明する必要があるでしょう。
さらに、ここが重要なポイントなのですが、アドミッションポリシーとはカリキュラムポリシーやディプロマポリシーにつながる基本要件であるので、そのような高校時代の経験で得た力が大学入学後勉学においてどのように活かされるのか、述べることも必要です。なぜなら、アドミッションポリシーとして求められていることは、「最終学習目標を達成する」上で「入学前に最低限備えておいて欲しい基本要件」だからです。
まとめ ~「アドミッションポリシーに応えただけ」は単に「受験資格があることを示しただけ」に過ぎない~
アドミッションポリシーは合格するための「必要十分条件」ではありません。むしろ、アドミッションポリシーをよく理解してそれらに十分に応えることは、その志望先を受ける上で最低限できていないといけないことであり、受ける上でその要件を満たしていることは当たり前のことなのです。そしてその上で、合格・不合格の判断がなされます。ですから、きつい言い方をすれば、アドミッションポリシーと合致しない生徒に対しては、不合格というよりも「そもそもうちの大学を受験する資格がありません」と言っているようなものです。逆に、アドミッションポリシーに合致している生徒は、「受験の資格アリ」、つまり「うちの大学を受ける資格があります」ということなのであり、「合致しているから合格」なのではないのです。志望理由書の作成においては、ここの認識を是非誤らないようにしてください。
参考資料:逆引き大学辞典WEB
(文中でもご説明した通り、こうした各ポリシーの策定の義務付けは大学改革の一環です。2025年度入試は、そうした大学改革のターニングポイントの一つであり、現行の「新課程」に合わせた大学入試に変わります。「新課程」となった2022年度に高校生になった人たちが受験生となるからです。そのため、2025年以降に大学を受験する生徒は、それによって入試もどのように変わるか、知っておくとよいでしょう。)
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