ルベル小銃 無煙火薬時代の新兵器
はじめに
本資料は、無煙火薬時代の幕開けを告げたフランスのルベル小銃を、日本で紹介した解説文を現代語に改めたものである。文中では、後装銃と連発銃の発達史をふまえながら、1886年式ルベル小銃の構造、弾薬、射撃性能、そして同時代の諸銃との比較が詳しく論じられている。今日から見れば古い兵器論ではあるが、当時の軍人たちがこの新兵器をどれほど画期的な存在として受け止めていたかが、生々しく伝わってくる点に大きな魅力がある。
新たな時代を切り開いたルベル小銃であるが、1886年に採用された間も無く、チューブ式弾倉が問題となり、1890年よりマンリッヒャー方式のクリップ装填を行う箱型弾倉式のベルティエ小銃に更新されていくことになった。ルベル8㎜弾は第一次大戦まで第一線で使用されたが、戦争終結後の1929年に7.5㎜口径の7.5×54MAS弾に更新されることになった。
つまりルベル小銃は、たしかに新時代を切り開いた先駆的兵器でありながら、その完成形が長く続いたわけではなかったのである。だからこそ本資料は、後世から確立された兵器としてではなく、まさに「登場したばかりの最新鋭小銃」としてルベルがどのように見られていたのかを知ることのできる、たいへん興味深い史料といえる。
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