映画評 マインクラフト/ザ・ムービー🇺🇸

世界的人気ゲーム・マインクラフトを、ハリウッドで実写映画化。自分の好きなようにものづくりや冒険が楽しめるゲームの世界観を再現し、そこで繰り広げられる冒険を描く。
青く光る謎のキューブを見つけたスティーブは、全てが四角形ででき、さらにイメージしたものをなんでも創りだせる不思議な異世界「マイクラワールド」へ転送される。さらに、ギャレット、ナタリーとヘンリー姉弟、ドーンの4人もまた、マイクラワールドに転送され、創造力を駆使してサバイバルを繰り広げる。
マインクラフトをプレイしたことがある身からすれば、本作の出来具合には、大きな不満を抱かざる得なかった。無駄に多いキャスト陣と蛇足なドラマ、マインクラフトの世界観や設定を数多く改悪した駄作であった。
スティーブ(ジャック・ブラック)がマイクラワールドに迷い込んだ場面から切り替わり、ギャレットやヘンリーなど人間世界でのドラマが描かれるのだが、マイクラでの冒険を見たい身からすれば蛇足にしか映らない。しかも異様に長く描かれているため、マイクラワールドに舞台が変わらないことに焦ったくなってしまった。
百歩譲って、モノづくりが得意であるが故にイジメにあってしまうヘンリーに関しては、マイクラワールドで自由に発明することにカタルシスがある。しかし彼以外の3人はいても居なくても成立する。ナタリーとドーンの2人は金魚の糞で、ギャレットに関しては過去の栄光にしがみつくというマインクラフトとは一切の関係がないドラマ。本作で描かれる人間はスティーブとヘンリーだけで良い。
マイクラ世界の描かれ方も不満は多い。本作はクラフト(手作業)描写ばかりで、マイン(採掘)描写がほとんど描かれない。クラフトするために材料を集める冒険及びマインもゲームをプレイする上で重要な工程だ。そのため簡単に強力な武器をクラフトすることは、ゲームで覚えた楽しさを度外視したご都合主義演出ということになる。本作がクリエイティブモードだけならまだしもサバイバルも関わってくるとなると、よりご都合主義が際立ってしまう。
本作のヴィランであるピグリンの描かれ方も飲み込みにくい。ネザーから侵略しに来た設定なのだが、ゲームでは中立キャラ(一定の条件を踏めば敵となる)かつ侵略者の設定は無い。むしろ、村人を襲撃するエヴォーカーが適任ということもあり、ピグリンの改変がノイズでしかない。また、ボスであるマルゴシャの過去も希薄かつ蛇足であったため、敵を倒すカタルシスも皆無でしかなかった。
