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映画評 アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方🇺🇸

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ボーダー 二つの世界』のアリ・アッバシ監督による、実業家で第45代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプが、伝説の弁護士に導かれ、トップへと成りあがる若き日を描いたドラマ。

1980年代。気弱で繊細な若き実業家ドナルド・トランプは、悪名高き弁護士ロイ・コーンと出会う。コーンによって服装から生き方まで洗練された人物に仕立てあげられたトランプは数々の大事業を成功させるが、やがてコーンの想像をはるかに超える怪物へと変貌していく。

2025月1月20日、トランプ共和党代表が再びアメリカ合衆国の大統領に就任する。国のトップになることが確定してからの彼の言動は、まさに言いたい放題、やりたい放題。関税を盾にしたカナダをアメリカに合併させる発言、グリーンランドを軍事力で奪取の匂わせなど、混沌とした世界が再びやってこようとしている。

であるからこそ、今本作を鑑賞する価値がある。世界が再びトランプに振り回され、急速かつ余分に分断が加速することになるからこそ、彼の人としての本質を理解するべきなのではないだろうか。大柄で人格攻撃すらも厭わないマッチョでサディストなのか、それともアメリカ・ファーストを貫くことができる強気で勇敢なリーダーなのか。本作は原点を解き明かす。

物語はトランプがビジネスマンとして頭角を表す前の70年代、検察官として赤狩りを促進した経歴を持ち弁護士へと転身したロイ・コーンと出会うところから始まる。ロイはトランプに3つのルールを与える。① とにかく攻撃、攻撃、攻撃 ② 非を絶対に認めない ③ どんなに劣勢でも勝利を主張し続ける 実際トランプが目にしたロイの手腕は非人道的で、自分自身がルールかのよう。

ロイを模倣し虎の威を借りたトランプはビジネスで成功し始める。成功してない者を見下し、邪魔になる者や敗者に対して徹底的に罵倒するだけでなく自らの主張を曲げずに正当化する。トランプに影響力を吸収されるかのようにロイが見窄らしく映る反比例がよりトランプの横柄さに拍車をかける。また、アメリカン・ドリームを体現する爽快感に翳りが見えたのは、セバスチャン・スタンの演技が、実際にドナルド・トランプ本人が出演しているかのように見えたからだ。

アイ・トーニャ』や『クルエラ』のように、悪党にも良い側面があるなんてものは生温いと言わんばかりに、『ソーシャル・ネットワーク』や『ナイトクローラー』の如く、成功のためなら魂を売ることすらも躊躇せず、トランプはビジネスを拡大し続ける。兄フレッドの死、病弱したロイ、さらにロイと出会う前のトランプの境遇を加味すると、勝たなければ何もかも失い、成功するためには他者を排除も厭わない世界がトランプを形成したように見える。ロイ・コーンもその一人。人は環境や出会う人によって自ら悪にも変われてしまうのだろう。

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