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【空想教室】アオイノイロ

第1章 名もなき色

第1話 彩の館


『アオイには、アオイだけの色があるんだよ』

小さい頃の、遠い記憶…
おばあちゃんはいつもそう言っていた。
アオイがまだ小さな子どもの頃、おばあちゃんの膝の上で髪を撫でられながら何度も聞いた言葉。その意味がわからなくて、ふと「好きな色ってこと?」と聞くと、おばあちゃんは優しく首を振った。

『違うよ。それは、アオイの心が一番落ち着く色。アオイの道を照らしてくれる色。』

その色はきっと【彩の館】にあるはずだと、おばあちゃんは言っていた。
けれど、その話を最後に、おばあちゃんは二度とアオイの色について語ることはなかった。

ーーそして、時は流れた。

アオイの大好きなおばあちゃんは、いつもやわらかな笑顔をたたえた人だった。星になったおばあちゃんが残した言葉をぼんやり考えていると、アオイは無性に自分の色が知りたくなる。自分だけの色が欲しいとさえ思うようになる。

そうすることがとても自然なことのように思えてくるし、おばあちゃんがわざわざアオイに伝えた意味を考えていると、いてもたってもいられない衝動に駆り立てられるようになった。


ある日、アオイは古びた町の小さな路地裏に立っていた。誰も入って来なさそうなその路地には、小さな雑貨屋さんや小さな花屋さんがぽつりぽつりとお店を開けているような、少し寂れた雰囲気があった。
気づけば、アオイはおばあちゃんの言っていた【彩の館】の扉の前にいたのだ。おばあちゃんの遺言であるアオイの色を探しに。

風に揺れる木製の看板には、くっきりとした筆跡で[色を売る店]と書かれている。大きなショーウインドウはあるものの、中は全く見えない仕様になっていて、様子は全くうかがえない。思い切って、重そうな木の扉を押すと、静かな鈴の音が響いた。

中に入ると、壁一面に並んだ瓶が目に飛び込んできた。
青、赤、金、銀…瓶の中には、まるで光そのものを閉じ込めたような色が、一本一本それぞれに詰められている。

「いらっしゃい」

奥から現れたのは落ち着いた雰囲気の女性だった。
短めの髪がさらりと揺れ、琥珀色の瞳がこちらをじっと見つめている。
少しの沈黙の後、咄嗟になにを話したらいいか戸惑うアオイに、女性が口火を切る。

「ここは彩の館。わたしは店主のカナよ。あなたは…色を探しに来たのかしら?」

アオイはさらに戸惑いながら、手のひらを握りしめた。

「……わたしは、アオイです。わたしに合う色を、、わたしの、、色を、探しに来ました」

カナはふっと微笑むと、棚の奥の小さな箱の中から、紫色の布にくるまれた小さなガラス玉を取り出し、それをそっとアオイの手に載せた。
しばしガラス玉を見つめる二人。

「アオイさん。あなたには、まだ"何色"もないのね」

アオイはガラス玉を目線の高さにかざしながら不思議そうに見つめる。

「この玉は、あなたが大切なものを見つけたとき、少しずつ色を帯びていくわ」

ガラス玉とカナを交互に見つめながら、アオイは訊ねた。

「この透明な玉に、勝手に色がつくんですか?それが、わたしの色?」

「ええ、きっとね。…でもそのためには、世界中のいろんな人に出会って、あなたの大切なものを見つけなくてはいけないの…もしかしたらすぐには帰れないかも知れない…旅に出る心の準備はできてる?」

カナの言葉にアオイは少しだけ息をのんだ。祖母が言っていた『アオイだけの色』。それが、この旅の先にあるのだろうか。

アオイは小さく頷く。
その手のひらには、まだ透明なガラス玉が静かに光を受けていた。




こんばんは🌙
ごきげんいかがですか?

いっちょまえに"第一話"とか言ってみました。
興味ある人がいたら続きを書こうかなと思ってます。

いろいろ想像するの、楽しくなってきました。
やっぱり普段から空想して遊んでると
頭の中にそうゆう世界が
広がりやすくなるもんなんですかね?

…わたし、不思議ちゃんになれますか?

無理かな。やっぱwww


本日も最後までお読みいただき
ありがとうございます💖
季節の変わり目ですので
どうぞご自愛くださいませ🍀🍀

桜井明日香

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