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『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』 読書共有【第96弾】

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はじめに

今回は福島文二郎『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』(中経出版、2010年)からの共有です。

著者は東京ディズニーランドがオープンした1983年に第1期の正社員としてオリエンタルランドに入社し、2007年の退社までディズニー研修を100プログラム以上開発。その傍ら自ら研修能力を高めるために放送大学にて心理学を学ぶなど自己研鑽にも余念がなく、まさにディズニー教育のパイオニアとも言うべき人物です。

本書では「ディズニーの考え方や上司・先輩にスポットをあてた指導方法の一端」が紹介されつつ、「顧客満足度」やそれを提供する「人材教育」、人材を育成する職場の「風土」や「文化」の作り方についても触れられています。

その中でも、今回は「仕事の重要性を認識させる」というテーマについて共有してまいります。


仕事の重要性を認識させる

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、当時ディズニーの中でも一番人気のない職種だったカストーディアルが、数年後には大変人気のある職種になりました。しかし、どうしてそうなったのでしょうか。カストーディアルについて、著者は当時を回顧して次のように述べています。

「カストーディアルといえば、1日中パークを清掃する「きつい、きたない」の2Kとみなされて、アルバイトを募集しても、ほとんど集まりませんでした。いったん仕事を始めても、途中でやめる人が少なくありませんでした」

こうした事情は正社員でも同じであったといいます。しかし、そこから数年後に状況が一転し、一躍カストーディアルは人気職になります。著者によれば、「その最も大きな力となったのは、上司・先輩が、後輩たちにカストーディアルの重要性を繰り返し繰り返し伝えたこと」だそうで、その重要性は以下の言葉に集約されていると言えます。

「カストーディアルというのは『清掃担当』という意味じゃないんだ。カストーディアルには、『管理する』とか『保護する』という意味があるんだ。カストーディアルは、自由にパーク内を動きまわることができるでしょ。だから、当然、困っているゲストを見つける機会も多くなる。そういうとき、そのゲストに声をかけて、困っていることを解消してあげる大切な役割を担っているんだ。清掃だけじゃないんだよ。つまり、カストーディアルには、パークを清潔に管理する、ゲストを保護するという意味が込められているんだよ」

こうしてカストーディアルという仕事の本来の意義がスタッフに伝わり、また会社を挙げてその意義や重要性を徹底周知するに至ったことが、カストーディアルを人気職にまで押し上げた要因と考えられます。

ひとたび仕事の重要性が認識されると、スタッフの意欲が劇的に向上するという恰好の例だと言えるでしょう。これはどのような仕事にも応用できる観点だと思われます。

また、「仕事」を「役割」だというふうに広く捉えるならば、職場のみならず家庭や学校、地域社会などにおいても、自らの役割の重要性を自覚することでより意欲的に役割を果たしていけるようになるのではないでしょうか。

もし、今の仕事に重要性が感じられず意欲も湧かないのであれば、自分自身でその仕事に意義や重要性を与え直し、また広い視点に立つことで他の役割の可能性を具体的に模索していくことも大切だと思います。

そこで、次に「仕事の重要性を認識させる」ことに関するカストーディアルの具体例を見ていくことにしましょう。


仕事の重要性を認識させる具体例

具体的には、新人研修の1ヶ月をカストーディアル実習にあてたり、年1度の「アルバイト感謝デー」には社長がカストーディアルとしてアルバイトをおもてなしするといったことが行われているようです。

著者によれば、「こうした社長の姿から、カストーディアルの仕事の重要性、そして社長として、その仕事を担ってくれているキャストに感謝していることが、アルバイトに伝わっていきました」。

こうしてカストーディアルは晴れて人気職となり、その仕事に誇りを持つスタッフが増え、さらには仕事の幅を広げる工夫もされているようです。

例えば、「ゲストに楽しんでもらうために、落ち葉でミッキーマウスの顔をつくってみせたり、ローラーブレードで清掃するなど、ショーアップ化をはかっています。また、仕事のスキルに応じて「段位」を設けて、仕事に対する意欲を向上させるようなアイデアを出し、実行している」そうです。

そして驚くことに、こうしたアイデアと実践は「ほとんどアルバイトたちが考え出したこと」であり、「このようなカストーディアルのパフォーマンスは、メディアにも取り上げられ、カストーディアル人気をさらに高めて」いるとのことです。

本書の情報は古いかもしれませんが、最近のディズニー事情においてもこうした素敵な風土は変わらず保たれているように思われます。他のディズニー関連の書籍なども含めて、こうした事例には事欠かないのがディズニーの素晴らしさであると言えます。

上記のように、まずは「仕事の重要性を認識」するようになると、スタッフ自身が自責的・主体的に仕事に意義を吹き込み始めるようになると考えられます。

また先の例で見たように、「ほとんどアルバイトたちが考え出したこと」が現場で広く実践されていることを考えると、アルバイトたちに認められている一定の自由が素晴らしいアイデアの創出につながっていると言えるでしょう。ここでは、心理的安全性が重要な役割を果たしているとも考えられます。


パーソナルトレーナーにおける仕事の重要性

パーソナルトレーナーにも実に様々な業務がありますが、その一つ一つの仕事に重要性を与えるのは、最終的には私たちトレーナー自身です。

トレーナーである以上、ボディメイク関連の専門知識を蓄積させつつスキルアップしていくことはもちろん重要です。一方で、ボディメイクが飽くまで人生をより良くするための手段に過ぎず、人生の目的そのものでないならば、トレーナーはただボディメイクの専門家であればいいというだけの話ではないことが自覚されてくるでしょう。

ボディメイクという手段を提供しつつも、その目的に対する理解とサポートを惜しまないことが、パーソナルトレーナーにおける「仕事の重要性」を高めてくれるものだと私は考えています。そのためには、ボディメイクのみならず「人」にも精通していることが大切だと思います。「人」一般を知るためというより、「人」の多様性を認め尊重していこうとする姿勢が重要であると私は考えています。

こうした観点からすると、私の中で「パーソナルトレーナー×読書」といった掛け合わせが生まれたのは必然的なことであったのかもしれません。またそうした読書経験を積み重ねていくうちに、「ボディメイクを通じた心身の健康、自己実現、幸福」というテーマが明確化されてきたことも貴重な気づきでありました。

これによって、より広い視野でパーソナルトレーナーの「仕事の重要性」を考えるきっかけも与えられたと言えます。飽くまでボディメイク自体は手段であり、目的はお客様の「心身の健康、自己実現、幸福」をサポートすることにあるならば、それらに関するものであればどんなものでも興味・関心を持っていきたいと思えるようにもなったと感じています。

これはつまるところ、自分の仕事を再定義することでもありました。パーソナルトレーナーだから仕事内容は○○といったように、自らの仕事の幅や重要性を常識に従って狭める必要はないのです。常識も大切でありながら、常識を超え出ていくことにこそ感動を生むサービスがあるのだと思っています。

変化が急速な時代にあって取り残されないためには、自らも変化に合わせて変わっていくこと、あるいは変化自体を作り出す側に回ることが大切だと私は考えています。そして、変化に合わせて自分の仕事も常に再定義していくこと。再定義しまくって、もはや何の仕事なのか分からなくなるくらい突き抜けること。

最後のは少し言い過ぎかもしれませんが、時代の変化に即して「仕事の重要性」に関する認識も変わっていく中、柔軟性を帯びながら臨機応変に働く姿勢を変えていく試みは、常識を突破しながら仕事の意義を新たに獲得していく上で有益であろうと思われます。

「仕事の重要性」の認識が深い次元で達成されているならば、おそらくはその深さに見合った仕事ぶりが発揮されていくことでしょう。

私はこのことを、パーソナルトレーナーの現場でこれからも追求していきたいと考えています。


おわりに

今回も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。
日々少しずつ閲覧数やリアクション数、フォロワー数も増えてきて嬉しい限りです。今後も最低週1回の更新を目指して頑張ってまいります。

あえて本の要約といったことはメインとせず、私なりの観点から面白いと思った箇所の共有という限定的な内容にしております。それが少しでも皆様の記憶に残り、日々の読書体験の深まりや具体的な行動・実践に繋がるのであれば幸いでございます。

今後とも宜しくお願い致します。


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