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『人生の贈り物ーあなたの探し物は何ですか?』 読書共有【第9弾】

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はじめに

今回も引き続きスペンサー・ジョンソンの著作で、『人生の贈り物ーあなたの探し物は何ですか?』(門田美鈴訳、扶桑社、2001年)からの共有です。

原題は“The Precious Present”で、直訳すると「かけがえのない贈り物(プレゼント)」となり、この“present”が後で見るように重要なキーワードとなってきます。前作群とは違って絵本のようなストーリー仕立てで、数十分以内には読めてしまうくらい短くて読みやすく、かつ奥の深い内容となっています。

他の作品群と合わせて著者の思想をよりよく理解したい人はもちろんのこと、人生に悩んでいる人、幸せの意味を考えたい人、前向きに生きていきたい人に、特にオススメの一冊となっています。


物語の概要

主人公の少年は、ある老人から「かけがえのないプレゼント」の話を聞きます。それをもらった人は、いつまでも幸せでいられるという不思議なプレゼントで、読者は少年と共に人生の大切なプレゼントを探す旅にいざなわれます。

しかし、残念ながらそう簡単には見つかりません。少年は四苦八苦した挙句、老人からのヒントとなる言葉を反芻しながら、突如として「かけがえのないプレゼント(The Precious Present)」が、今を生きる「現在(present)」だということに気がつきます。

過去でもなく未来でもなく、「現在」をあるがままに生きることこそ、いつまでも幸福でいられる「かけがえのないプレゼント」だということに気がつくのです。


「現在」こそ「かけがえのないプレゼント」

こうして本書を読み進めていくと、原題“The Precious Present”の“present”が、「贈り物(the Present)」と「現在(present)」のダブルミーニングになっていることが明らかになります。

本書は、「限られた人生をいかに生きるべきか」という人生の根本的なテーマを扱った内容と言えますが、本書の「現在」をめぐる時間論については、キリスト教や西洋哲学、また禅仏教やマインドフルネスなどとも関連づけて議論ができる、とても興味深いテーマと言えます。

しかしながら、「現在」が「かけがえのないプレゼント」だという本書のメッセージを自らの状況に落とし込んで理解するのは容易ではないかも知れません。そこで私からの案として提起したいのは、今ある「現在」の状況に感謝することから始めてみてもいいかも知れない、ということです。

例えば生まれてきたことへの感謝といった存在的なレベルから、家庭、学校、会社、地域社会などの環境への感謝といった社会的なレベル等々、色々な観点があるかと思いますが、その「現在」に感謝すれば、自ずとそれが「かけがえのないプレゼント」として実感されると思うのです。

こうして、「人生の贈り物」とは誰でも手に入れられる”今この瞬間”なのであり、この「今」に集中し大切に生きることで、また感謝することで人生の充実感や幸福感が得られるというように解釈することができるでしょう。


「いま、ここ」を大切にするマインドフルネス

近年様々な分野で取り上げられるマインドフルネスですが、これは簡単に言うと、過去や未来に囚われず「いま、ここ」で起こっていることを体験し、「現在」に集中する状態のことを指します。これは本書のテーマに非常に近いと考えられます。

私たちはつい「過去の後悔」や「未来の不安」に囚われてしまい、 「現在」に集中することを忘れてしまいがちです。情報過多で多忙な現代人にとって、そのつどの「現在」を「かけがえのないプレゼント」として体験するのはますます困難になっており、その中で「いま、ここ」に集中するというマインドフルネスの観点は、極めて重要になってきていると言えるでしょう。

現にGoogle、Apple、Intelといった大企業でもマインドフルネスの導入が進んでおり、従業員の心身の健康、生産性向上、創造性の発揮、コミュニケーションの円滑化、幸福感の向上といったことに役立てられています。現代人にとって「いま、ここ」を体験することの重要性が再発見されてきており、日本でもマインドフルネスについて知る機会が多く提供され、研究や実践なども盛んに行われてきているように思います。

なおマインドフルネスの「いま、ここ」は時間と場所を含めた「現在」として理解しやすいですが、本書の物語では「時間」としての「現在」というニュアンスが強いように見えます。しかし、“present”にも時間と場所を含めた「現在」として理解できる要素が語義的にもあると思われ、そうなると両者は近いところにいるのかもしれません。

ここで両者を比較検討することはできませんが、少なくとも本書はマインドフルネスの重要な要素を物語形式で描き出し、「現在」への集中による人生の充実感や幸福感を表現することに成功していると言えるでしょう。


私にとっての“present”

私は今のパーソナルトレーナーという仕事を心から愛しており、もはや仕事の範疇を超え出て一つの生き方に昇華されているように思えます。

仕事は自ら勝手に作り出したものも含めて日々多忙ではありますが、それだけたくさんのお客様、信頼関係、実績などがあるということへの感謝、またそうした状況に理解を示して下さる会社、仲間への感謝など、そういった諸々がプレゼントとして実感される日々です。

私にとって、あらゆるモチベーションの源泉は「現在」という「プレゼント」に対する感謝なのかも知れません。時には人間的な気分や感情に左右されることもありますが、それを包み込んだ形で感謝の気持ちが存在しているので、どんなことがあっても前向きに頑張れています。

また、“present”を特に場所として解釈した場合、「置かれた場所で咲く」という言葉が真っ先に浮かびます。本当に恥ずかしいことですが、まだ私に実績も何もない頃、京都という場所の難しさを言い訳に、東京に行けば自分は必ず成功できるといった全く根拠のない想像をしていました。自責ではなく他責としてすべてを考えていたわけです。

まだまだ満足してはいけませんが、今となっては関係者の皆様のおかげで「置かれた場所で咲く」ことができており、そうした方々とのご縁も含めて、京都という場所が私にとってかけがえのない「プレゼント」になっていることは、本当に心から感謝すべきことだと思っております。


おわりに

今回も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。日々少しずつ閲覧数やリアクション数、フォロワー数も増えてきて嬉しい限りです。今後も最低週1回の更新を目指して頑張ってまいります。

あえて本の要約といったことはメインとせず、私なりの観点から面白いと思った箇所の共有という限定的な内容にしております。それが少しでも皆様の記憶に残り、日々の読書体験の深まりや具体的な行動・実践に繋がるのであれば幸いでございます。

それでは今後とも宜しくお願い致します。

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