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『つまらん連中が上に立ったから、下の者が苦労し、流血を重ねたのである。仁義なき戦い 広島やくざ・流血20年の記録』死闘編・決戦編

日本版ゴッドファーザーともいえる『仁義なき戦い』の原作本二冊を読了。

『ゴッドファーザー』は1972年公開、『仁義なき戦い』は翌1973年公開とほぼ同時期。原作の新聞連載は1972年から始まっており、模倣ではなく偶然、あるいはシンクロニシティと呼ぶべき現象か。

アメリカが「家族と血の絆」を描いたのに対し、日本は「戦後の混乱と暴力」を背景に若者たちの群像劇を立ち上げた。


死闘編

映画第1作・第2作を中心に展開する。戦後の若者たちの青春群像劇的な色合いが強く、飯干晃一の三人称ルポが骨格、美能幸三の一人称手記が補完する流れ。作中の広島弁の会話は俳優の声で脳内再生され、映画を観ている人ほど楽しめる。

決戦編

映画第3作以降(代理戦争・頂上決戦)を中心に展開。青春群像の要素は薄れ、組長や幹部となった主要人物たちのさらなる権力闘争と裏切りの連鎖が描かれる。勢いはやや落ちるが、組織の論理・政治性が前面に出ている。

登場人物で興味深いのはやはり、組長の山守。自分では殺しも暴力も行わず徹底して人を操る。飴と鞭、策略、嘘を重ねるサイコ資質は北九州監禁殺人事件の松永太を思わせる冷酷さがある。しかも、自ら道化を演じて泣いたり、水商売の女にいい顔をしたりと、よくわからない点も似ている。

映画ならではの演出やセリフかと思ったら実際に原作本そのままの言葉で使われているものが多く、予想以上に本に忠実な映画だったのだと驚かされる。

なお、映画は続編がたくさん作られているようだが、最初の五作、または菅原文太などの主要人物たちが名を変えて演じた作品以外はVシネマレベルなのが残念。

熱狂的なファンか関係者のペンだろうが、Wikipediaが異常に書き込まれているのでこちらはおすすめ。

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