アオサギ
鳥類 ペリカン目サギ科
ユーラシア大陸および周辺の島嶼に分布し、日本にも棲息する。主として水棲動物を捕食し、水辺に鳥を観察しに行くとほぼ確実に出会うことが出来る大型の鳥。

しかし子供の頃(50年以上前のことだが…)は、これほど多く見かけた記憶が無い。開発や減反で棲息域が狭められ相対的に遭遇頻度が上がったのか、それとも水田での農薬使用がマイルドになり、餌となる生物とともに増加したのか、真偽のほどはわからないが、近年数を増やしたように感じる鳥達の一種類だ。
サギ類は営巣地とする木々を集団で占有する習性があり、それが人間との間に軋轢(周囲に飛散される排泄物の量が多く、その上魚臭いのである)を生み、まだ雛が巣立たないうちに営巣木を刈り倒されてしまうような悲劇も起きる(つい最近もニュースに)。
一方、長い頸部をたたみ、営巣地から何羽かでゆったりと飛びたつ姿は、野生味に溢れ、何故か熱帯の気配さえ感じさせる。
蔵書票の製作者であるRichard Muller(1874-1954)はドイツの画家。背後に描かれた流麗な軌跡を見せる動きで二羽のアオサギが魚を虐待しているように見えるこの絵は、彼の作品集※1を見ると文字が入っておらず、元々は蔵書票を意図して描かれたものではなかったようだ。
種村季弘さんの書いたMullerの評伝「不気味な同伴者」※2によると、この人はドレスデン美術大学の教授であったが、『進んでナチス党員と』なり『悪名高い移動展覧会「堕落芸術展」を組織し』と記されている。しかし、いくつかの海外サイトで彼の経歴を確認してもそこに触れたものはなく(意図的に隠されているのか…?)、真偽の程はわからない。
票主のVictor Singerは、当時ハンブルグで版画出版を手がけていた蔵書票コレクターのようで、かのBaylos制作のものにも名前が確認される。
※1 Das werk von Richard Muller(1921)
※2 段片からの世界(2005)
