諏訪湖九酒蔵巡り2/高天
茅野から諏訪まで上川沿いに通称びゅんびゅん道路が通っている。びゅんびゅんと通称しているのはボクと妻のドレミだけで正式には上川通勤バイパスと言う。右左岸それぞれ一方通行、交差する道路の手前で河川敷に下りて橋の下をくぐるため6kmをほぼ信号なしのノンストップで結んでいる。しかしボクたちのような移住者には少々ハードルが高い。なぜなら土手の上を真っすぐに進む進入路より、橋の下から斜めに合流してくる本道が優先だからである。分かっていてもなかなか慣れない。

茅野の戸田酒造はびゅんびゅん道路の南端入口まで100Mというロケーションにある。道路全線を使って一気に諏訪湖まで移動し、湖岸道路を西回りして岡谷に入った。

岡谷の中心街にある岡谷スカラ座は諏訪地域で唯一ロードショウのかかる映画館である。順路なら上諏訪の五蔵を先にするべきところ、一気に岡谷まで北上したのは「ラストマン」のチケットを買うためである。岡谷スカラ座はオンライン購入未対応で数日前から窓口購入が始まる。ちょうどこの日が封切りだったので、満席を心配して早めに席を確保しようとしたのだがそれは全くの杞憂だった。窓口に行ったドレミが言うには、ボクたちはこの日午後4時からの上映の3番目と4番目の客だった。
高天酒造

母をデイサービスに送り出してから家を出たのでここで早くも正午になってしまった。ボクの事前メモでは神渡は昼休みに入ってしまう。そこで目抜き通りの端にある高天酒造を訪れた。

高天は1871(明治4)年創業。1928(昭和3)年の全国清酒品評会で清酒髙天が長野県で初めて名誉賞を獲得し、諏訪の酒処としての礎を築いた。

高天と言えばすべらっこい辛口。もちろんボクには分からないので調べてみると「さらりとした」といったほどの意味らしい。まさにすっきり辛口の元祖、飲み比べの本命である。

高天に限らず諏訪の酒蔵の人は総じて人当たりがいい。信州人には珍しく口も滑らかである。数百円の小瓶一本の客に対しても誠意が感じられて気持ちがいい。

高天には小瓶がなかったが、望むところである。

さて、これでまだ2蔵、急がねばならない。
テンホウ

長野ではどこでも見られるラーメン・餃子のチェーン店テンホウの前身が上諏訪の鶴の湯温泉天宝という料理旅館だったことは案外知られてない。ここ下諏訪店などはその発祥地にとても近い。

ミニ中華丼を注文したドレミがスマホを見ながら心配そうに聞く。
「ねえ、大丈夫?まだ7蔵あるよ。映画までに間に合う?」
映画だけでなく、山を下りるについては九蔵巡りついでに盛り沢山の用を予定している。タイムテーブルは分刻みとなってきた。

そんなとき、とにかく早くておいしいテンホウはありがたい。車中に待たせてている犬のストレスも少ない。

人間に続いてお犬さまのランチタイムは湖岸の遊歩道。慌てて食べるのでむせないように器を持って与えている。

遊歩道を隣接する味噌工場まで少し歩く。
タケヤみそ

ご年配の方には懐かしい森光子さんのCM
ひと味違うタケヤみそ~♩
である。
初めてここを訪れたのは移住直後の夏、どこで調べるのか「味噌ソフトクリーム」が評判なので食べたいとドレミが言い出したことによる。工場の敷地内にある味噌会館2Fのイートインコーナーでドレミがソフトクリームを注文している間にボクは奥の方に小部屋を見つけた。近づくと自動的に灯りがつき、部屋の壁に絵画がずらりと展示されていた。どうやら先代社長のコレクションを公開しているらしい。その中の1点の油彩画に強烈に惹きつけられた。これはタダモノではない…とキャプションに目を凝らすと果たしてタダモノではなかった。三岸節子の真筆である。

宣伝もしていない。web上のどこにも情報はない。無料開放されている味噌会館のギャラリーに三岸節子が掛かっている。これは衝撃的だった。
以来、通りがかりに時間があると絵を見せてもらいに訪れる。その義理があるのでウチでは一貫してタケヤ味噌を使っている。

諏訪は酒だけでなく信州味噌のメッカでもある。タケヤみその他にも信州一味噌の発祥地丸髙蔵、茅野の丸井蔵、岡谷には市内に9つもの味噌蔵がある。
さて、味噌に脱線したが酒蔵巡り。次回は甲州街道を北上していよいよ元町に諏訪五酒蔵を訪ねる。
参考サイト
高天酒造
https://koten-sake.co.jp/
みんなのテンホウ
https://tenhoo.jp/
タケヤみそ
https://www.takeya-miso.co.jp/
信州一味噌
https://www.shinsyuichi.jp/
岡谷味噌
https://okayamiso.jp/
