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「一人の失敗で全員を縛る社会」が日本を弱くしている

2026年5月27日、日本航空は衝撃的な発表をしました。客室乗務員約6000人全員に対し、国内外すべての滞在先での飲酒を全面禁止する、と。ちょうど先日国際線でヨーロッパまでいって、搭乗員の人たちが13時間以上飛行機の中だけで働き、その前後を考えれば16時間程度は確実に連続勤務になるというハードな仕事におののいていた矢先なだけで驚きました。

きっかけは、5月23日の広島発羽田行きJL252便で起きた、50代女性チーフパーサーの飲酒検査陽性でした。前夜にホテルラウンジで同僚と飲酒し、乗務前12時間以内の禁酒ルールに抵触。便は42分遅延しましたが、代わりの乗務員が乗って無事運航されました。つまり、検査システムは正常に機能したのです。チェックしてちゃんと確認がとれ、代替できたのだから、ルール違反したスタッフが処罰を一定受けるのであれば分かるのです。

しかし、JALが下した判断は「全員禁止」でした。6000人の客室乗務員のうち、たった1人の違反者が出たことで、残りの5999人も含めて、滞在先での飲酒が一切認められなくなったということ。国際線で14時間、15時間と乗務した後、到着地で1泊する際も、ホテルの部屋であろうと、レストランであろうと、一切の飲酒が禁じられるのです。まるで、クラスで1人がカンニングをしたから、クラス全員が放課後居残りというような話です。信じられません。

私はこれを見て、強い違和感を覚えました。
なぜ、たまたま起きた1人の違反で6000人全員が罰せられるのか。なぜ、個人の責任を追及せず、全体を規制するのか。そして、この「一事が万事」規制が、日本のサービス産業を確実に衰退させていることに、なぜ誰も気づかないのかということです。


国際基準より厳しい日本独自ルール

そもそも、国際線を飛ぶ航空会社は、アメリカ連邦航空局(FAA)の基準に準拠しなければなりません。FAAの規定では、乗務前8時間の禁酒が義務付けられています。欧米の主要航空会社も、この時間制限を基準としており、滞在中の飲酒そのものを禁じてはいません。まぁ欧米各国のエアラインで飲酒そのものを勤務時間内ではない滞在先でまで拘束するようなルールを作ったら、労組など含めて大反対でしょうからねw

つまり、国際基準では「乗務前8時間を守れば、それ以前の飲酒は個人の自由」という前提なのです。日本だけが、それを超える規制を課している。国際線で世界中を飛び回る客室乗務員に、到着地での飲酒を一切認めないというのは、明らかに過剰です。

今回ヒースロー行きのJALファーストクラスに乗った際、ワインをサーブしてくれた客室乗務員と話をしました。彼女は非常にワインに詳しく、産地やブドウ品種、今回大越さんが設計しているペアリングについても知識が豊富でした。「お好きなんですか」と聞くと、「はい」と笑っていました。「勤務時間に客は飲んでも、飲めないから大変ですよね」といったら、「ロンドンに着いたら、1泊させてもらうので、その前には少し楽しめますから」と言っていたのです。そりゃそーだよなーと思ったわけです。

しかし、今回の規制で、その楽しみも奪われたということですよね。14時間のフライトを終えた後、ロンドンの街で一杯のワインを飲むことすら許されない。現地の食文化に触れることも、同僚とコミュニケーションを取ることも、すべて禁じられる。これが、本当にサービス向上につながるのでしょうか。

「一事が万事」で失われたもの――生レバー、スキーバス、そして自由

日本では、この「一事が万事」規制が、過去に何度も繰り返されてきました。

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