タクシー・ドライバー Part 1~赤い雨が降り注ぐ~
タクシー・ドライバー Part 1~赤い雨が降り注ぐ~
ータクシードライバーをどのような作品だと説明されますか?
「ホラー映画。言ってみればニューヨークを舞台にしたゴシック・ストーリーだよ。あの街をそういうふうに捉えていたんだ。すべてが狂乱のなかにあるような都市だが、同時にこの世の中でもっとも寂しい場所でもある。本当の孤独は雑踏の中にしかないんだ」
マーチン・スコセッシ
語り尽くされた感がある、「タクシー・ドライバー」を、今更オレが取り上げる理由は、この映画が好きだからである。ブログというささやかながらも自分のメディアを持つ者に取って、「タクシー・ドライバー」に触れないなどということは、考えられない。ありきたりな言説をこれから展開したとしても、発信せずにはいられないのだ。それほどまで「タクシー・ドライバー」は魅力に満ち溢れている。
やっと、「タクシー・ドライバー」を自分の手で紹介できる喜びを感じている。
「タクシー・ドライバー」はアラバマ州知事のジョージ・ウォーレスを銃撃した犯人のアーサー・ブレマーの日記が元ネタなのは有名である。
~これはリチャード・ニクソン大統領の暗殺に関する私の個人的な計画書である。全世界に向けた私の男らしさの声明文でもある~
アーサー・ブレマー
アーサー・ブレマーの目的は、政治的な主張などではなく、「有名になること」。しかも銃撃の時間を、全国ニュースに間に合うように行っていたそうだ。
「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」とアンディ・ウォーホルの言葉を私は思い出した。ウォーホルの発言の意図の深追いはしないが、アーサー・ブレマーの行為はウォーホルの言葉を歪んだ形で実践したともいえる。しかも「タクシー・ドライバー」の話題になる度、アーサー・ブレマーの名前がこびり付いてくる。15分どころか永遠の15分を手に入れたのである。
時代遅れのカウボーイ、不眠症のトラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は、さえない人生の一発逆転を賭けた感はあるものの、犯行の動機は歪んだ正義があることから、アーサー・ブレマーとは違うことが伺える。英雄扱いされたトラヴィスは、愛用のタンカース・ジャケット(ウィンター・コンバット・ジャケット)を着て奢ることなく何事もなかったかのようにタクシー・ドライバーを続けるのである。有名になりたい病ではない証拠だ。ただし、彼の闇が予期せぬ形で暴発する危険を孕んではいるが。
月曜日
いつの日か、赤い雨が降り注いで通りの糞どもを洗い流すだろう。
頭痛のせいで憎悪に近い怒りが俺のなかに巣くっている。
いつか爆発しなけりゃならない。
そうすればあの糞どもも思い知るだろう。
注意、アスパラガスを切らした。
トラヴィスの日記
いつか爆発しなけりゃならない、そう本当にトラヴィスは爆発したのである。
なぜ、スウィッチが入った?
大統領候補暗殺(未遂)は、選挙事務所で働くベッツィー(シビル・シェパード)が、

売春組織壊滅は、12歳の娼婦アイリス(ジョディ・フォスター)が、発火点となった。

そう、トラヴィスは2人の女に翻弄されたのである。
続く
ブログーSound Of Lifeより
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