Short 54 「ページの狭間」
近所の古本屋で買った推理小説にブックダーツが刺さっていた。
それは銅で出来ており、少し酸化が進んでいるようだった。
前の持ち主が忘れてしまったのだろうか。
古本屋の主人にその話をしたら、「持っておきなさい」とだけ言われた。
さっそく本を読み、読み進めた場所にブックダーツを挟み込む。
推理小説なのでもちろん殺人事件を取り扱っているのだが、その犯人を当てるためにじっくりと推理しながら読むのが好きだったから。
翌日、続きを読もうと思ったら一瞬、違和感を覚えた。
しかしその違和感はすぐに消えたので、気のせいだと思いそのまま読み進めた。
しかし、毎日、毎日、少しずつ読み進めていく毎に違和感も少しずつ大きくなってきた。
読み進めていた頁を少し戻ると、違和感の正体に気付いた。
文字数が明らかに少ない。
それどころか、残っている文字もひらがなばかりでデタラメに配置されている。
残った文字を注意深く読んでみると…。
つ ぎ
は お ま
え
の
ば ん

