【外国人犯罪の実態調査1/3】増えているのは「犯罪人数」ではなく「犯罪"件数"」
昨今、テレビやYoutubeなどを開くと外国人犯罪や逮捕のニュースをよく見るようになりました。
そんな中、警察庁統計で、法務省で公表されている『犯罪白書』が出ていましたので、データで詳しく深堀りしてみました。
📊 増えているのは「犯罪人数」ではなく「犯罪"件数"」
警察庁『令和7年における組織犯罪の情勢』から、来日外国人犯罪の全体像です。
2025年の総検挙件数は25,480件(前年比16.9%増)、総検挙人員は12,777人(同5.0%増)。3年連続の増加です。
刑法犯の検挙件数と検挙人員を並べます。
【件数】
2022年:8,548件
2023年:10,040件
2024年:13,405件
2025年:17,614件(3年で2倍超)
【人員】
2022年:5,014人
2025年:7,333人(+46%)
件数は2倍を超えたのに、人数の伸びは46%にとどまっています。
捕まった人数より、1人あたりの件数が増えています。
なぜか。共犯率が答えを示しています。
来日外国人の共犯率は45.3%。日本人は11.5%です。
罪種別に見ると、差はさらに開きます。
侵入窃盗の共犯率:来日外国人70.8% / 日本人10.9%
万引きの共犯率:来日外国人31.8% / 日本人3.6%
自動車盗の共犯率:来日外国人85.9%
単独犯ではなく、役割分担された組織的な犯行です。
罪種の内訳(2025年 刑法犯17,614件)はこうなっています。
窃盗犯:12,226件(69%)
粗暴犯:9%
知能犯:8%
凶悪犯:2%
窃盗以外の動きも見ておきます。
不同意性交等:107人 → 134人
略取誘拐・人身売買:11人 → 21人(倍増)
薬物事犯:829件(2022年)→ 1,565件(2025年)、3年で約1.9倍
なお、在留外国人の総数は2025年末で412万5,395人(前年比+9.5%)。初めて400万人を超えました。
不法残留者は68,488人(2026年1月)で、前年比8.5%減。2年連続で減少しています。
長期で見ると、件数・人員ともにまだピーク(2004〜05年)には届いていません。ただし、刑法犯全体に占める来日外国人の割合は2025年に5.9%と過去最高を更新しています。
では、国籍別にみるとどうなっているのでしょうか。
出典 令和7年における組織犯罪の情勢(警察庁) 外国人犯罪の実態と動向(2025)(平和政策研究所) 在留外国人、400万人超え 人口比3.3%、最多更新(共同通信)
🔀 2017年、外国人犯罪の検挙数1位が交代しました
2025年の国籍別内訳です。
総検挙件数(25,480件)
ベトナム:10,773件(42.3%)
中国:3,114件(12.2%)
総検挙人員(12,777人)
ベトナム:4,167人(32.6%)
中国:2,062人(16.1%)
この2か国で、件数・人員ともに全体の約5割です。
ベトナムの偏りは罪種でさらに極端になります。
窃盗犯:5,993件(全体の49.0%)
侵入窃盗:3,018件(全体の69.5%)
万引き:1,857件(全体の58.4%)
強盗(構成比24.0%)と詐欺(同33.4%)でも国籍別最多です。
中国は、長らく1位でした。
その順位が入れ替わったのが、検挙件数で2017年、検挙人員で2019年です。
件数で9年前、人員で7年前。最近の変化ではありません。
そして中国の検挙件数・人員は、長期的には減少傾向にあります。
2025年末の在留者数は中国93万428人、ベトナム68万1,100人。
中国のほうが多いにもかかわらず、です。
永住者34万人は、この統計に含まれない。
警察庁の「来日外国人」統計には、永住者・特別永住者は含まれません。
中国の在留者93万人のうち、最も多い在留資格は永住者(34万人)です。この層は統計の対象外です。一方、ベトナムの最大構成は技能実習(21万人)で、統計にそのまま含まれます。
これが、在留者数と検挙数の差として現れています。
この交代は、技能実習の送出国交代の翌年に起きている
2016年:技能実習の送出国1位が、中国からベトナムへ
2017年:来日外国人犯罪の検挙件数1位が、中国からベトナムへ
2019年:検挙人員1位も、中国からベトナムへ
中国の賃金水準が上がり、家族と離れてまで日本で働く動機が薄れました。
その結果、技能実習の主力がベトナムに移り、検挙件数の1位が翌年に入れ替わりました。
出典 令和7年における組織犯罪の情勢(警察庁) 外国人犯罪の実態と動向(2025)(平和政策研究所) 在日ベトナム人が60万人超え、人的往来の協力強化へ(JETRO) 技能実習生の20%を占める中国人の特徴は?(海外人材タイムス) 最新版統計|技能実習生の受け入れ人数推移・国別割合は?(マイナビグローバル)
🔢 ベトナム人在留者と検挙数を並べてみると、意外なことがわかる
在留ベトナム人数と窃盗検挙数の推移(2019〜2025年)

在留ベトナム人数 → 出入国在留管理庁『在留外国人統計』第1表(各年末時点) https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html
窃盗検挙件数・人員 → 法務省『犯罪白書』各年版 第4編第9章(警察庁統計による) https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_4_9_2_1.html
在留者が減った年に、犯罪は増えていた
黄色の行(2021年・2024年)に注目してください。
2021年は在留者が唯一減った年(−3.4%)ですが、窃盗の検挙件数は17.8%増えています。
逆に、在留者が13.0%増えた2022年は、検挙件数が1.2%減り、検挙人員は17.8%減っています。
「人が増えたから犯罪が増えた」では、この動きは追えません。
2024年:件数は急増、でも人数はほぼ横ばい
在留者は12.3%増え、検挙件数は58.6%増えました。
ただ、検挙人員は836人から834人へ、2人減っています。
5年間でまとめると、こうなります
在留ベトナム人(2019→2024):+54.0%
窃盗 検挙人員:+6.0%
窃盗 検挙件数:+98.6%
人は54%増えたのに、捕まった人は6%しか増えず、件数だけが倍になっています。
なぜ件数だけが増えるのか
1人あたりの窃盗検挙件数は、3.18件(2019年)から5.95件(2024年)へ、1.87倍です。
解釈は2つあります。
ひとつは、実際に1人あたりの犯行回数が増えたという見方です。指示役が国外にいて役割が分担され、実行役は「盗むこと」に専念できます。
もうひとつは、警察が余罪をまとめて立件できるようになったという見方です。防犯カメラや盗品の流通経路から同一犯を特定し、1回の逮捕で過去の件数が計上されます。
どちらか一方には絞れません。ただ、母数の増加で説明できる範囲を、明らかに超えています。
では、なぜ繰り返されるのでしょうか。
どうやら「技能実習制度」という制度が深く関わっていそうです。
詳しくは明日の投稿にて。
出典 令和7年末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁) 令和2年版 犯罪白書 第4編第8章(法務省) 令和3年版 犯罪白書 第4編第9章(法務省) 令和4年版 犯罪白書 第4編第9章(法務省) 令和5年版 犯罪白書 第4編第9章(法務省) 令和6年版 犯罪白書 第4編第9章(法務省) 令和7年版 犯罪白書 第4編第9章(法務省)
📚️ 参考資料
ドラッグストア集団万引き"回収役"か ベトナム国籍の女逮捕(tvkニュース) 大量に盗まれた化粧品は海を渡って本国へ(東京新聞) 令和7年における組織犯罪の情勢(警察庁) 外国人犯罪の実態と動向(2025)(平和政策研究所) 在留外国人、400万人超え 人口比3.3%、最多更新(共同通信) 令和7年末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁) 令和2〜7年版 犯罪白書 第4編(法務省) 在日ベトナム人が60万人超え(JETRO) 技能実習生の受け入れ人数推移・国別割合(マイナビグローバル)
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