【プロンプトの守破離】「そのまま真似る」の先にあるもの 暗黙知を形式知へ
前回は、他人のプロンプトをコピーしても動かない2つの原因と、コンテキストをゼロにする方法をお伝えしました。
※前回の記事はこちら⬇️
成功者を「そのまま真似る」が出発点。
でも、「自分の色を出したい」「自分の環境に合わせたい」。
そんな時はどうするのか。今回はそこを掘り下げます。
1️⃣「守破離」とは
伝統的な日本文化(特に武道や芸道)において、学びの段階を表す「守破離」という言葉があるのをご存じでしょうか?
Grokに説明文を作成してもらったところ、以下の通りです。
一言でいうと「まずは真似て(守)、次に壊して(破)、最後に自分のものにする(離)」
守(しゅ):ルールを守る段階
師匠の教えや型を忠実に守り、基礎を徹底的に身につける。初心者の頃。
破(は):ルールを破る段階
基礎が固まったら、型を分析・批判し、自分なりにアレンジしたり改良したりする。中級者〜上級者。
離(り):ルールから離れる段階
型やルールに縛られず、自分の独自の境地を確立する。熟練者・達人の段階。

2️⃣経験とデータを「守破離」で読み解く
先日、フォロワーのかなめさんが、
「守破離」の言葉を使って、
データ設計の考え方
記録と記憶
暗黙知と形式知
についての記事を掲載されていました。
経験・知識をどう管理するか。その概略としては、以下の通りです。
※私の解釈ですので、正確な詳細を知りたい方は、ご本人の記事をご覧ください。
「守」:手順書・マニュアルに言語化して記録できる。
「破」:記録は難しい。言語化はできるが、本人の経験・記憶と照らし合わせなければ意味をなさない、文脈(記録と記録の間の情報)の必要性が出てくる。
「離」:記録にはなじまない。感覚・経験の要素が強い知恵の段階。
熟練者の「離」の知恵の部分は完全には記録できない。
しかし「守」と「破」の段階を丁寧に言語化しておくことで、後継者が離に至るまでの時間を短縮できる。
そのためには、設計が重要。

3️⃣もう一つの「守破離」 まずは成功者の型を忠実に守る
実は、「守破離」の考え方、同じデジタルである、プロンプト活用にもそのまま当てはまります。
コンテキストゼロの環境で、コピーしたプロンプトが意図通りに動いた。
それが「守」の完了です。
骨格の意味が腑に落ちた段階で、はじめて「破」に進む権利が生まれます。逆に言えば、「守」が完了していない段階で自分の色を加えるのは、「破」ではなく迷走です。前回の記事で書いた「自分の色を混ぜる失敗」は、この「守」のステップを飛ばしてしまっていたことが原因というわけです。

4️⃣自分の色をプロンプトに混ぜる 「破」から「離」へ
「守」が完了したら、自分の文脈を加えていきます。
ただし、やみくもに変えるのではなく、変える部分を明確にすることが重要です。
🍤ステップ1:変数部分と骨格部分を切り分ける
プロンプトの中で「自分の業務・状況に合わせて変えるべき部分」と「触れてはいけない骨格部分」を見極めます。
前回の [ここに内容を入力] の考え方です。
🍤ステップ2:一箇所ずつ変える
変数部分を一度に複数変えると、どの変更が出力に影響したか分からなくなります。一箇所変えて検証、また一箇所変えて検証。この繰り返しが、プロンプトの理解を深めます。
🍤ステップ3:変えた理由を残す
ステップ2の検証結果は重要なデータです。バージョンを上げながら、「なぜこう変えたか」の理由も合わせて履歴として残しておく。
同じ失敗を繰り返さないようにするために、重要です。
面倒でも、「●●は避ける」等、禁止事項の形で残しておきましょう。
この試行錯誤の積み重ねが「離」につながります。
そして、次の章で触れる、暗黙知を形式知に変換することにつながります。

5️⃣これは、私がnoteを始めた当初からのテーマでした
団塊の世代が引退。そして人手不足。人が入れ替わり、引継ぎが十分にできていない。
自分の時代は「背中を見て盗め」と教わった。でも、今の時代は教える体制が必要。教わったわけではないから、どう教えればよいか分からない。
みなさんの組織でも、そんなことはありませんか?
実は、それが原因で、今まで経験者がまかなっていたタスクが十分に実施されていない。
そんなトラブルが顔を出し始めています。
だからこそ、以前にも増して、暗黙知を形式知に昇華させる重要性が高まっている。でも、これまで、自分達だけで経験と言う暗黙知を、形式知に言語化するのが難しかった。
AIを活用することで解決できないか?
私がnoteを書き始めたそもそもの動機はここにあります。
そして、ここで2つの「守破離」が交わります。
2章の経験とデータについての「守破離」。
3・4章のプロンプトの「守破離」。
人間と記録だけでは困難だった経験の「破」「離」をAIで整理する。
AIで整理する手段の再現性もプロンプトの「守破離」で精度を上げる。

現在の私は、人間の経験や考え方を言語化する=暗黙知を形式知に昇華させるプロンプトを検討・検証している最中です。
前回の記事・今回の記事の通り、二人のフォロワーさんのおかげでその背景を論理的に組み立てることができました。
この場をお借りして、改めて感謝を。
📌まとめ
「守破離」の表現に合わせると、
「守」として、日常の情報を適切に記録する。
「破」「離」として、判断基準や考え方をできるだけ言語化する。
に引き続き取り組んでいきたいと思います。
全体的な考え方が明確になったことで、1つのゴールに辿り着きました。そして、ここからが暗黙知を形式知に昇華させるためのスタートラインでもあります。
今はまだ、皆さんに公開できるような状況ではありませんが、いつか公開できる日が来ればよいなと思っています。

何だか、最終回みたいなまとめになってしまいましたw

