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LINEの返信が来ない夜、嫌われた理由を探してしまう

LINEの返信が来ない夜、自分の送った文章だけを読み返してしまう。

嫌われた理由を、相手より先に自分で探し始めてしまう。

これは、そういう夜の話。

相手は何も言っていないのに、私はひとりで反省会を始めていた。
それも、けっこう本格的な。

夜、なんとなくLINEを開いて、気づいたら自分の送った文章だけをじっと眺めていた。
相手のメッセージじゃない。自分のやつ。

画面の右側に並んだ、青いバブルたち。
昼間に送ったときは何も感じなかったのに、夜の静かな光の中で見ると、なんか……ちょっと違う顔をしている。

重くないか、これ。

最初の一文はよかった。たぶん。
でもその次が、ちょっと長い気がしてきた。

絵文字の使い方も、もしかしたら空回りしてたかも。
送ったときはテンション合ってると思っていたのに、今見ると「私だけ張り切ってたのかな」と感じる。

どこで間違えたんだろう、と思い始めると止まらない。

どの一文が余計だったんだろう。
最後の「笑」はいらなかったかな。
いや、逆につけなかったら冷たく見えた?

どっちにしても正解がわからない。

もっと前の会話をスクロールする。
2日前。1週間前。

相手の発言ではなく、自分の発言だけを目で追っている。
そこだけ蛍光ペンで線を引くみたいに、私の言葉だけが画面に浮かんでくる。

これは反省会だ、と気づく。
しかも、相手のいない反省会。

誰にも何も言われていないのに、自分で自分を尋問している。

「あの発言の意図は?」
「なぜそこで絵文字を使った?」
「その返しは本当に必要だったか?」

答えを出せる人間がどこにもいないのに、私だけが被告席に立っている。

相手の沈黙は、何も語っていない。
ただ返信がないだけ。

それだけのことなのに、私はその空白に文章を書き込んでいる。

「重かったんだと思う」
「引いたのかもしれない」
「あの言い方で、少し冷めた気がする」

全部、私が書いた脚本だ。相手はまだ何も言っていない。

軽く送ったつもりだった言葉が、夜になると急に恥ずかしく見えてくる。
それは相手が何かしたからじゃなくて、夜の静けさの中に置いてみたら、そう見えただけかもしれない。

でも夜中にそれがわかっても、あんまり意味がない。

「嫌われたかも」というより、「私、何かやったかも」という感覚に近い。

もしそうなら謝れる。もしそうなら修正できる。
答えさえ出れば、この宙ぶらりんな感じは終わる。

だから取り調べを続ける。自分の言葉を、もう一度。

でも答え合わせは、相手が返信してくれないとできない。

それが、いちばん苦しいところだった。

結局その夜は、何もわからないまま終わった。

朝になって、改めてあの会話を見たとき、「なんでこれで昨夜あんなに考えていたんだろう」と少し思った。
全部が馬鹿らしくなったわけじゃない。でも、夜中に見ていたときほど、重くは見えなかった。

夜の私は、たぶん自分の言葉に勝手に拡大鏡を当てていた。

それだけのことかもしれない。
でもそれだけのことで、あんなに長い夜になるのが、私という人間らしい。

あなたにも、ひとりで反省会を開いてしまった夜はありますか。

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