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短編小説147「降れて分かれていく」の裏側

今回は「投影」です。
新設アスファルトに霧雨というそこまで
珍しくない現象に涙し、どうしてかを
主人公が自分で分析する話です。
 
【物語のジャンル】
・心理的リアリズム・短編
「別れ」という劇的な出来事に対し、
直接的な感情の爆発ではなく、
物理現象や知的な仮説検証を通して
自身の内面にアプローチする、内省的な物語。
 
【物語の構成】
・「現象」から「仮説」を経て
「解明」に至る、研究者らしい探求の構成。
 
発端(謎):
アスファルト工事現場で、理由のわからない涙を流す。
 
展開(事実の整理):
恋人・豪との「干渉しない、ドライで明確な別れ」の儀式。
欠落した感情への違和感。
 
葛藤(分析):
なぜ自分は泣いたのか。
物理現象(蒸発する雨)と自身の感情を照らし合わせ、
理由を特定しようとする試行錯誤。
 
解決(発見):
深夜、冷えたアスファルトの上で
「混ざり合わない水と油」を目撃し、
自身と豪の関係性の本質を悟る。
 
結末(受容):
納得(解消)を得て、深い眠りにつく。
 
【物語の構造】
・物理現象と心理状態のパラレル(並行)構造
 
熱と揮発:
舗装直後の熱いアスファルトに触れる前に消える霧雨は、
互いの生活に干渉しすぎて衝突(熱を帯びる)する前に、
関係性が希薄化して消えてしまった
二人のメタファーとなっている。
 
水と油:
冷えた後のアスファルト上で反発し合う「雫」と「油分」は、
別れた後に残った未練や混じり合えない孤独を
視覚的に象徴している。
 
「理由の有無」の対比:
友人の夫婦は「理由なく」愛し合っているのに対し、
敏子と豪は「ドライな距離感」という
「明確な理由」で繋がっていた。その「理由」の崩壊が、
物語の推進力となっている。

⇒タイトルは「触れて別れていく」が自然ですが
「雨が降り、よりはっきり油と水が分かれる」ことを
指しています。
 
【最後に】
これは悲しみでもあるんですが、
本来、理由や理屈はいらないところ、
それでしか自分に落とし込めないわけです。
私の主観が大いに入っているので、
なぜどうしてに「なにか」間違いでも
理由をつけたいんです。
どうにも出来ない悲しき性です。
 
今回はここまでです。
読んでいただきありがとうございました。
次回の投稿もお楽しみに。
 

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