気づいたのに戻ってしまう理由
気づいたはずなのに、
また同じように戻ってしまう。
少し前に、
「あ、これは無理に合わせなくてもいいのかもしれない」と
感じた場面があったとしても、
次に似たような場に入ると、
気づけばまた同じように言葉を選んでいる。
違和感に気づいたはずなのに、
その流れの中に戻ってしまう。
そんな感覚に触れたことはないでしょうか。
たとえば、
少し強めの言い方をされる相手や、
どこか空気を読まないといけないように感じる場。
その場に入った瞬間に、
身体が先に反応して、
「どう関わるのが無難か」を探し始める。
気を遣いすぎないようにしようと思っていたのに、
気づけばまた同じように整えている。
その場ではうまくやれている。
関係も崩れていないし、
表面的には何も問題はない。
それでも、
あとになって、
どこか少しだけ疲れが残る。
「またやってしまったな」と
感じることもあるかもしれません。
ここで起きていることは、
意志が弱いとか、
気づきが足りないという話ではないのかもしれません。
むしろ、
気づけているからこそ、
その違和感を感じている。
ただ、
その気づきよりも先に、
動きが始まっている。
場に入った瞬間に、
どんな空気なのか、
どう振る舞えば安全か、
そういったものを、
ほとんど無意識に感じ取っている。
そしてその流れの中で、
すでに選び始めている。
だから、
あとから「違ったかもしれない」と思っても、
その場では止めることが難しい。
ここに、
“戻ってしまう感覚”の正体があるのかもしれません。
では、
一度気づいたものは、
意味がなかったのでしょうか。
むしろ逆で、
気づいたからこそ、
「戻っていること」にも気づけている。
もし気づいていなければ、
それが当たり前として続いていくはずです。
そう考えると、
戻ってしまうこと自体が問題というよりも、
どこで動きが始まっているのかが、
まだ少し見えにくいだけなのかもしれません。
気づこうとするほど、
変えようとするほど、
その場で何とかしようとしてしまう。
でも実際には、
その少し手前で、
すでに流れは動き始めている。
では、
その手前に触れることはできるのでしょうか。
それとも、
気づいたとしても、
また同じように戻っていくしかないのでしょうか。
