すべての思い出をかっさらった、ポルトで出会った彼女
2023年10月
ポルトガル ポルト
ポルトには、
行きたい場所がたくさんあった。
サン・ベント駅の駅舎

古くからの建物と白と青のコントラストも素敵
マジェスティック・カフェ

もちろんお茶しましたが、店内も素敵
マクドナルド・インペリアル

店内は古いヨーロッパと最新機器の不思議な感じ
アルマス聖堂

壁面には物語が描かれている
ドン・ルイス1世橋

高所恐怖症の私は…
モゾモゾしながら歩いて渡り切りました。
そして、
レロ書店。

この階段のを何度か昇り降り

早い時間で予約したが、オープンから混雑
ただ歩いているだけでも、
建物を見ているだけでも
街の雰囲気を感じるだけでも楽しい。
そろそろお腹が空いたな、と、
大通りから一本入った細い道にある
小さなレストランに貼られた
メニューを見ていると、
「Open?」
と後ろから声が聞こえた。
振り返ると、
「あっ!もしかして日本人ですか?」
と、日本人の女性が立っていた。
「もし良かったら、
一緒にランチしませんか?」
とニコニコしている。
実は、
私はちょっとこういうのが苦手。
まず断りづらい。
そして、
まだ相手との関係性が明確でないため
めちゃくちゃ気を張ってしまう。
というか、
今偶然に会ったばかりで
どんな人なのかも分からないのに……。
一人でのんびり散策の余韻にひたりながら
ランチをしようと思っていたので、
なおさらに。
「あっ……」
と何か言い訳をしてその場を去ろうとすると、
「Two.」
と、まだ返事をしていないのに、
彼女は店員さんに声をかけていた。
もう断れない……。
本音はこうだった。
テーブルに向かい合わせに座り、
注文を終えると、
「あっ、私の名前は……」
と彼女が明るく喋り始めた。
そこからは彼女の
ショータイム。
食事が運ばれてきても
食べながらでも
彼女の話は止まらない。
相手がいろいろと喋ってくれると
一気に気がゆるみ、
ちょっと楽になる。
が、
それよりも、
彼女の話が、
私には斬新すぎて、
気づけば、私は質問の鬼と化していた。
私には驚く話ばかり。
詳細は控えるけれど、
少しだけご紹介。
彼女は海外での生活を夢見て、
私と出会ったときには、
既に2ヶ月ほど
ポルトガルに滞在している(らしい)。
が、昨日
ヨーロッパのビザ無し滞在が
180日間で90日ということを知り
焦っている(らしい)。
そして、それが本当かどうかを
なぜか私に確認する。
仕事は、日本にいた時に
フリーランスでもらっていた仕事を
継続していたが、
昨日、海外で仕事していることがバレ、
今、契約継続を交渉中(らしい)。
昔から海外に憧れがあり、
海外のマッチングアプリで
出会いを探している(らしい)。
世界中に
アプリで知り合った友達がいる(らしい)。
私からすると
このつっこみどころ満載でもあり、
これまでの私の人生にはない選択ばかりで
私には興味津々な話ばかり。
彼女は楽しそうに、
私が無知から質問していると思ったのか、
いろいろ教えてくれようとしている。
そのままいろいろと
話を聞きたくなってしまい、
食事のあとも1時間ほど
一緒に散策することにした。
私には想像のできない話を
彼女は当たり前のように
自分のこととして話していた。
「アプリで知り合ったスペインの男性と
結婚しようと思っている。」
あっ、
お付き合いされている人がいるんだ
と思った瞬間、
「彼はいろいろ事情があるみたいだけど、
私もヨーロッパに住みたいし、
友人として好きだしと思って。
まだ会ったことないんだけど。
毎日やり取りしてるしね。」
いろいろと考えてしまい、
質問しても良いものかも分からなくなり、
一人でいろいろと考え無言になり歩いていると、
ホテルの最寄駅に到着した。
SNSのアカウントを聞かれたが、
やってないと伝え、
その場で「またどこかで」と別れた。
彼女と関わりたくなかったんじゃない。
私にない価値観と行動力を持っている彼女。
きっと交換しても連絡をとることは
ないかもと思った以上に、
彼女が手段や方法はどうあれ、
やりたいことに突き進んでいる感じが
まぶしく思え、
エネルギーの高さに驚き
連絡先を交換することに
少し躊躇したのが正直なところ。
ポルトでの思い出を聞かれると
あれだけ散策した街並みや
各スポットよりも、
彼女を思い出す。
写真も何も残っていない。
名前や顔も思い出せない。
それでも、彼女の話は
今でも鮮明に思い出すことができる。
それほどに
私には衝撃というか刺激的な時間だった。
とはいえ、
やっぱりポルトの思い出は、
あの街並みや
目にしたときに「うわぁ」と思わず声が出た
景色たちで上書きしようと思う。
