ルアーナ・マリエッティ(グリニッシュイエロー・ひと色展)
「エバはね、ルアーナを抱きしめてあげたいの。」
窓から差し込む日の光でできた陽だまり。
お部屋の真ん中が、まあるく切り取られたように見える。
そこにある、小さな世界。
エバはその中にいた。
エバのいる世界は暖かくそして明るい。地球にある陽だまりにはたくさんの太陽の子たちが住んでいる。エバはその一人としてこの陽だまりの中に住んでいた。
この部屋はとても薄暗く、冷ややかだ。
唯一、エバがいるその場所だけが暖かだった。
エバにはいつも見あげる先があった。
本棚の一番上の隅に座っている、グリニッシュイエロー色の髪をした、瞳がとても穏やかな小さなお人形。
「私はエバ・サンセット。太陽様の子よ。」
エバは、声をかけた。
「私はルアーナ・マリエッティ。このお部屋にいた子がね、昔私を作ってくれたの。」
ルアーナは自分ができた頃の話をよくしてくれた。その頃のこの部屋は、とても暖かくそして明るく居心地の良い場所だったという。
「彼女がお嫁に行ってしまってからは、この部屋に灯りが灯ることはほとんどなくなってしまったわ。」
ルアーナの声が悲しみに暮れ、その穏やかな瞳から一粒の涙が落ちたことをエバはちゃんと知っていた。
ルアーナを抱きしめてあげたい。
エバはそういつも願っているのでした。
トントントントン。
「誰かが来たわ!」

※このお話は、エバ・サンライズ(スカーレットレーキ・ひと色展)へ続きます。
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イシノアサミさんのひと色展のコラボ企画に参加いたします。
お気に入りの色が選びきれず、勝手に連作にしてしまいました。もしお差し障りがあるようであれは、参加を控え、期日までに他のものができれば改めて書いてみたいと思います。
