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Canva、Adobe、Cotyに見る、生成AIが制作フローに入り始めたサイン<AIをクリエイティブな仕事に変えるメモvol.67>

最近のクリエイティブAIの流れを見ていると、単に「すごい画像が作れる」「動画が作れる」という話から、かなり次の段階に入ってきた感じがあります。

特に今日見ておきたいのは、Canva、Adobe、Cotyの動きです。

どれも別々のニュースに見えますが、今回も共通しているのは、AIが制作物を1個作るためのツールではなく、企画、制作、修正、展開、管理、配信まで含めた仕事の流れに入り始めていることです。

今日のポイントは、AI活用は「生成できるか」ではなく、「チームやブランドの仕事に組み込めるか」で見られる段階に入っているということ。

✨今日のハイライト

1つ目は、Canva AI 2.0です。
Canvaは、会話からデザインを作るだけでなく、ブランド、レイアウト、編集可能なレイヤー、外部ツール連携、スケジュール実行まで含めたAIワークフローを打ち出しました。個人クリエイターや小規模チームにとっては、「毎回ゼロから作る」よりも「型を持って展開する」使い方が重要になりそうです。

https://www.canva.com/newsroom/news/canva-create-2026-ai/

2つ目は、Adobeproductivity agentです。
Adobeは、PDFやAcrobatを起点に、AIがユーザーのパターンを学び、複数のエージェントと連携しながら作業を進める方向を示しています。これは、クリエイティブ制作だけでなく、確認、共有、レビュー、資料化といった周辺業務までAIが入ってくる流れです。

3つ目は、CotyPencilの生成AIコンテンツ基盤の提携です。
美容大手Cotyが、Pencilの生成AIマーケティング基盤をConsumer Beauty部門のキャンペーンワークフローに組み込むと発表しました。ここで大事なのは、画像や動画を作るだけでなく、ガバナンス、ブランドの一貫性、データ所有権までセットで語られていることです。

ニュース1:Canva AI 2.0は、デザインを「会話で終わらせない」方向へ進んでいる

何が起きたのか?

Canvaは、Canva AI 2.0を発表しました。

ポイントは、単にプロンプトから画像やデザインを生成するだけではありません。会話を起点に、プレゼン、SNS投稿、キャンペーン素材、資料、スプレッドシート、インタラクティブな体験まで作れるようにしようとしています。

さらに、生成されたものがフラットな画像ではなく、編集可能なレイヤーやオブジェクトとして扱える点も大きいです。

AIでそれっぽいビジュアルを作るだけなら、すでに多くのツールでできます。でも仕事で使う場合は、そのあとに文字を直したい、色を変えたい、余白を整えたい、別サイズに展開したい、ブランドルールに合わせたい、という作業が必ず出てきます。

Canva AI 2.0は、そこをかなり意識しているように見えます。

なぜ大事なのか?

クリエイティブ実務でAIを使うとき、問題になるのは「最初の1案」よりも、その後の修正です。

たとえばSNSバナーを作る場合でも、1枚だけ完成すれば終わりではありません。

Instagram投稿用、X用、ストーリーズ用、広告用、LP内の差し込み用など、同じトーンで複数サイズに展開する必要があります。しかも、あとから文言が変わったり、キャンペーン日程が変わったり、ブランドカラーの微調整が入ったりします。

このとき、AIの出力がただの1枚絵だと、実務では扱いにくいんですよね。

だから、仕事で使えるAIかどうかは、出力の派手さではなく、直せるか、展開できるか、説明できるかで決まると思っています。

クリエイティブ視点で見ると

Canvaの方向性は、かなり「制作フロー寄り」です。

特に気になるのは、ブランドの文脈を持ったまま制作できることです。フォント、色、レイアウト、トーン、過去の制作物の雰囲気がAIに反映されるようになると、クリエイターの役割も少し変わります。

これまでは、1つずつ手で整える力が重要でした。

もちろんそれは今後も必要です。ただ、AIが初期案や展開案を大量に出せるようになると、人間側に求められるのは「どれがブランドらしいか」「どこを残してどこを直すか」「この表現は伝わるか」を判断する力になります。

つまり、制作する人から、制作を設計して判断する人へ、少し重心が移っていく感じです。

実務で使うなら

個人クリエイターや小規模事業者が使うなら、まずはブランドキットやテンプレートを整えるのが大事です。

毎回プロンプトで「やわらかく、洗練された雰囲気で、余白多めで」と書くよりも、自分の色、フォント、写真のトーン、見出しのルール、余白の取り方を決めておくほうが再現性が出ます。

具体的には、次のようなルールを先に作ると使いやすいです。

・投稿サイズは正方形、縦長、X用の3種類を基本にする
・見出しは最大18文字までにする
・本文テキストは1枚あたり3行以内にする
・背景色は3色までに絞る
・写真を使う場合は、明るさと余白を揃える
・AI生成物は必ず人間が最終確認する  

AIに任せる前に、人間側のルールを持っておく。ここがけっこう重要です。

ニュース2:Adobeのproductivity agentは、制作の周辺業務までAIが入るサイン

何が起きたのか?

Adobeは、productivity agentについて発表しました。

Adobeの説明では、このエージェントはユーザーの作業パターンを学び、複雑なタスクを進め、Adobeのcreative agentなど複数のエージェントとも連携するとされています。

今回はAcrobatやPDFの文脈が強いですが、僕が注目したいのは、AIが「作る」だけではなく、理解する、整理する、共有する、レビューする、次のアクションにつなげる、という仕事の周辺部分に入ってきていることです。

クリエイティブの現場って、実は手を動かして作っている時間だけではありません。

素材を探す、要件を読む、過去資料を確認する、クライアントコメントを整理する、修正指示をまとめる、納品形式を確認する。こういう周辺業務がかなり多いです。

なぜ大事なのか?

AIクリエイティブの話では、どうしても画像生成や動画生成に目が行きます。

でも実務のボトルネックは、生成そのものではなく、前後のやり取りにあることが多いです。

たとえば、デザイナーがAIで初稿を速く作れても、修正指示が散らばっていたり、最新版の資料がわからなかったり、ブランドルールが共有されていなかったりすると、結局時間がかかります。

Adobeの動きは、AIが制作アプリの中だけでなく、ドキュメント、レビュー、共有、意思決定の流れにも入ってくることを示しています。

これは、クリエイティブ業務の自動化を考えるうえでかなり大事です。

クリエイティブ視点で見ると

ここで見えてくるのは、AIエージェントが「制作アシスタント」から「進行管理の一部」になっていく可能性です。

たとえば、PDFの企画書を読み込み、必要な素材リストを出す。クライアントのコメントを要約し、修正箇所を整理する。ブランドガイドラインと照らし合わせて、表現のズレを指摘する。納品前にチェックリストを作る。

こういう作業は、派手ではありません。

でも、実務ではめちゃくちゃ効きます。

特に小さなチームほど、ディレクター、デザイナー、ライター、SNS担当が兼任になりがちです。そこにAIが入るなら、単なる時短ではなく、抜け漏れを減らす仕組みとして使える可能性があります。

実務で使うなら

Adobe系の流れから考えると、まず整えたいのは制作ログです。

AIに任せる範囲が増えるほど、「何をもとに作ったのか」「どの指示で変えたのか」「最終判断は誰がしたのか」が大事になります。

おすすめは、案件ごとに簡単なログを残すことです。

・目的
・ターゲット
・参考資料
・使用したAIツール
・入力した主な指示
・採用した案と不採用にした案
・人間が最終判断したポイント
・権利やブランド上の確認事項  

これを残しておくと、あとから似た案件を作るときに再利用できます。

AI活用は、単発で便利に使うより、次の制作に再利用できる形で残すことが大事です。

ニュース3:Coty×Pencilは、生成AIがブランド運用の中核に入る事例

何が起きたのか?

美容大手のCotyは、Pencilと提携し、Consumer Beauty部門に生成AIコンテンツシステムを組み込むと発表しました。

対象ブランドには、CoverGirl、Rimmel、Sally Hansen、Max Factorなどが含まれます。

この提携では、画像や動画の生成だけでなく、アイデア出し、コピーライティング、画像・動画制作、パフォーマンス予測、配信までを含むエンドツーエンドのコンテンツワークフローが語られています。

さらに、ガバナンス、ブランドの一貫性、データ所有権、IP所有権にも触れられています。

ここがかなり大事です。

なぜ大事なのか?

企業がAIを使うとき、ただ速く作れるだけでは不十分です。

ブランドの世界観が崩れないか。権利的に問題がないか。どのデータを使っているのか。誰が承認するのか。生成した素材をどの地域や媒体で使っていいのか。

こういう論点を整理しないままAI生成を広げると、あとで大きなリスクになります。

Cotyの発表が示しているのは、生成AIが「試しに使うツール」から「ブランド運用のシステム」に入り始めていることです。

これは大企業だけの話ではありません。

個人クリエイターや小規模事業者でも、同じ視点は必要です。

クリエイティブ視点で見ると

AIによって制作量は増やしやすくなります。

でも、量が増えるほど、ブランドのズレも増えやすくなります。

たとえば、毎日SNS投稿を作れるようになったとしても、投稿ごとに言葉のトーンがバラバラだったり、画像の質感が揺れたり、色使いが変わりすぎたりすると、見ている人には「なんとなく違う」と伝わります。

AI時代のブランド運用で重要なのは、たくさん作ることより、たくさん作っても崩れないルールを持つことです。

Cotyのような大きなブランドが、スピードと同時にガバナンスやブランド整合性を語っているのは、そこが実務上の本丸だからだと思います。

実務で使うなら

小規模チームでも、AI用のブランドルールを作っておくとかなり使いやすくなります。

たとえば、次のようなものです。

・使っていい色と使わない色
・画像の明るさ、質感、余白の基準
・人物写真を使う場合の表情や構図
・NGワード
・言い切っていい表現と避ける表現
・AI生成画像を使う媒体
・人間が必ず確認する項目
・制作物の保存場所とファイル名ルール  

特に、AI生成画像や動画を広告・販売ページ・ブランド投稿で使う場合は、「誰が見ても説明できる状態」にしておくことが大切です。

AIを使えば、それっぽいものはすぐ作れます。

でも仕事で必要なのは、それっぽさではなく、再現性と説明可能性です。

まとめ

今日のAIニュースを整理すると、ポイントは3つです。

1つ目は、Canva AI 2.0のように、AIが単発生成ではなく、編集可能で展開しやすい制作フローに近づいていること。

2つ目は、Adobeのproductivity agentのように、AIが制作物そのものだけでなく、資料、共有、レビュー、判断の周辺業務にも入り始めていること。

3つ目は、CotyとPencilの提携のように、生成AIがブランド運用やマーケティングの基盤として組み込まれ始めていることです。

僕の視点では、これから強くなるのは、AIツールをたくさん知っている人というより、AIに任せる部分と、人間が判断する部分を分けられる人です。

AIは、便利そうだから使う段階から、仕事の中にどう安全に組み込むかの段階に入っています。

だからこそ、プロンプトのうまさだけでなく、ルール作り、制作ログ、ブランド管理、確認フローまで含めて考えることが大事です。

僕自身も、AIをただ使うのではなく、クリエイティブな仕事やブランド運用の中にちゃんと組み込むための設計を続けていきます。

AI活用やAIブランディングを考えるときも、まず見るべきなのは「何が作れるか」ではなく、「その制作をどう継続できる形にするか」だと思っています。

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