にゃがお研究ノート「デジタル防災」vol.3
「教えるより“教え合う”。地域の住民をつなぐスマホカフェ」
— にゃがおが聞く、地域おこし協力隊 川堀 龍さんの“デジタル×地域”実践
高齢化が進む地域で、「スマホが苦手」を理由に情報からこぼれ落ちる人をつくらない🐾
長岡市内の支所地域のコミュニティセンターを拠点に開く“スマホカフェ”は、教える場ではなく、教え合う場だったのだにゃ🐾
災害時の安否確認から、外国ルーツ住民との交流、防災情報の言語バリアまで——。
にゃがおが、長岡市地域おこし協力隊の川堀 龍(かわぼり たつる)さんに話を聞いてみたのだにゃ🐾
登場人物
聞き手:にゃがお(でじらぼアシスタント)
語り手:川堀 龍さん
(長岡市 地域おこし協力隊/地域振興戦略部所属。スマホ相談所・教室の開催、多世代交流を通じたデジタルデバイド対策を企画・運営)
スマホカフェってどんな場?
にゃがお:普段はどんな活動をしてるのにゃ?
川堀さん:長岡市の支所地域(合併地域)を巡回して、高齢者向けにコミュニティセンターなどで“スマホカフェ”を開いています。
いつも大体平均10人ほど集まり、2時間で1人10〜15分ずつ回る個別相談が中心です。
参加された方が「自分でできるようになる」ように伴走します。
にゃがお:年齢はどのくらいにゃ?
川堀さん:中心は70代です。元気な80〜90代も来ます。
にゃがお:みんな元気だにゃ🐾 参加する方は何を聞きに来るのにゃ?
川堀さん:連絡手段(LINE/メール/通話)の基本操作や、記号・絵文字・スタンプ、写真の送り方。機種変更や購入相談もありますね。
実はシニア向けの機種(らくらく的な機種)は、その家族も普段使用しているものとUIなどが異なり、教えにくかったりします。
なので家族と同じ機種(iPhoneや一般的なAndroid)を勧めることもあります。
にゃがお:ふむふむ、操作が分かれば世界が広がるにゃ🐾
「教える」より「教え合う」
川堀さん:何を聞けばいいか分からない人も、他の人の質問を聞くうちに「それ、私もやってみたい」に変わるんです。
すると、参加者どうしが自然に教え合いはじめる。目指しているのは“シニアがシニアを教える”場づくりです。
にゃがお:最高の循環だにゃ🐾 コミュニティの筋力、上がってるにゃ🐾
川堀さん:各支所地域の特色もあります。
それぞれに歴史や文化が異なるので、受け止め方や距離感が変わるのが、強い結束の地域もあったり、長岡ならではかもしれません。
災害時に“体が動く”練習
にゃがお:防災のことも聞いていくにゃ🐾 普段のカフェでは防災に関わることは教えているのかにゃ?
川堀さん:まずLINEの安否確認など、平時から押してみる練習をします。
それから、スマホの緊急通報・緊急連絡先を登録。ボタン1つで家族に電話できる体制に。
「まず何をすればいいか分からない」を消して、身体が勝手に動くレベルまで体験しておくのが大事です。
にゃがお:どの時代も練習あるのみ、にゃ🐾
川堀さん:入力がつらい人には音声入力を勧めます。連絡も検索も一気に楽に。
体験会では“おしゃべりAI”というアプリを使って、話しかけてもらいます。
驚きと楽しさがハードルを下げ、声を出す習慣にもつながります。
にゃがお:便利を“体で知る”ことが継続のコツだにゃ🐾
多文化共生:ベトナムコミュニティと防災
にゃがお:川堀さんはスマホカフェ以外にもベトナムフェスを主催しているんだにゃ? 気になるにゃ🐾
川堀さん:学生時代(長岡技術科学大学)の縁から始まって、日本人×ベトナム人の交流イベントを3年前に立ち上げました。
去年は「日本の縁日×ベトナムの遊び」をテーマに、手作りの羽矢で風船を割るベトナム式“射的”を日本風にアレンジしたコーナーなども実施しました。
ベトナムのみんなは運営、日本の子どもは参加して、ゲームを介して自然に会話が生まれます。
昨今のニュースでは外国人に対するネガな印象をあたえてしまうことを危惧していますが、実際に会って話せば通じる実感を広げたいと思っています。
にゃがお:同じ“楽しい”を一緒に作るのが仲良くなる近道だにゃ🐾
長岡や新潟にはベトナムコミュニティがあるのかにゃ?
生活している方は何か困ってないかにゃ?
川堀さん:長岡には約500人のベトナム人が暮らしていて、技科大に留学生としてくる方も多いです。
移動は自転車が多く、冬の移動は課題です。買い物はアジア食材店や業務スーパーを使っていますね。
コミュニティの情報収集はFacebookが中心です。
言語は日本語・英語は苦手な人も多いです。
にゃがお:防災情報はどう届けるにゃ?
川堀さん:地震に慣れていない人が多く、避難先が分からないのが課題かもしれませんが、最寄りの小中学校などは普段から確認してもらっています。
公式情報(市HPや公式LINE)は信頼できるけれど言語の壁があり、スマホで翻訳できるようにはなりましたが、手間で遠ざかることもあります。
だから県内のベトナム人コミュニティ(Facebookグループ)内の“(日本語などが)分かる人に付いていく”感じです。
にゃがお:コミュニティは“命のインフラ”だにゃ🐾
これから
川堀さん:ベトナムコミュニティはゼロにはならないと思います。
主催が引っ張るより、当事者が主役で日本人が加わる形になれれば良いと思います。小さくても続けられる場を増やしたいです。
デジタル面では今が過渡期。今のシニアが楽しみ、同時に命を守るために使えるように。
次の世代はスマホ経験ありが前提だから、進化するAI/新技術にも遅れないよう格差を埋める伴走を続けたいと思います。
にゃがおまとめ
スマホカフェ=教え合う場。参加者どうしの循環が、地域の“筋力”を上げるにゃ🐾
安否確認・緊急連絡先は平時の練習が命。“体が勝手に動く”まで体験しておくにゃ🐾
音声入力×実演で、苦手の壁を一歩ずつ崩すにゃ🐾
言語バリアには当事者コミュニティ+公式情報の二層構造で届けるにゃ🐾
交流は同じ“楽しい”を一緒に作るのが最短ルートだにゃ🐾
読者への問いかけ
あなたの地域で、“教え合う場”はどこにある?なければ、どこで始められそう?
家族やご近所、安否確認の練習を一度やってみよう。緊急連絡先は登録済み?
外国ルーツのご近所さんに、最寄りの避難所を案内できる?言語の壁はどう超える?
