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優しい人ばかりの世界

想像してほしい。
あなたがこれまで出会った、一番優しい男の人と女の人を。

その人たちは、困っている人を見かけたとき、どのように声をかけただろう。
誰かが失敗したとき、どのような顔で話を聞いただろう。
自分より弱い立場の人に、どのように接していただろう。

想像してほしい。
地球上が、彼や彼女のような人たちばかりになった世界を。

道に迷えば、誰かが足を止める。
荷物を落とせば、近くの人が拾う。
困っている人がいれば、見て見ぬふりをする人はいない。
人をだまして得をしようとする者もいない。

その世界には、今ほど多くの商品やサービスがないかもしれない。
技術の進歩も、今よりゆるやかかもしれない。
制度も、今ほど細かく整えられていないかもしれない。

それでも、人は安心して暮らしている。
困ったときには、誰かの手が伸びてくると知っているからだ。
自分もまた、誰かに手を伸ばすからだ。

人類の暮らしをよくする方向は、一つではない。
新しい技術が生まれる方向がある。
社会の制度が整う方向がある。
そして、一人ひとりが優しくなる方向がある。

これまで出会った一番優しい人を思い浮かべ、その人に少し近づこうとする。
その小さな方向転換が重なれば、世界は今より幸せに近づいていく。




マガジンに掲載していただきました


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