ホスト生活の続き
私は酒飲みなので辛いものが好きだ。
そしてそれがいつか
〝他人よりスゴイ!〟という何の意味もなさない自己顕示欲を撫でまくりで自分でも
「こんなん全然辛ないですわ!」的な若い頃があったと思い出します。
若い強い煙草を吸う、強い酒を飲む、そんな虚ろな能無しでした。
誰もそれに反論せず、興味もない拍手で私の価値を貼り付けました。
しかし、ただ1つ、〝辛いものに強い〟という点で、もちろん酒も当時のアブサンも飲んだしズブロッカも余裕で飲んだので記憶何てあるはずもなく、何故かブチギレる事無く何とかなっていた。
先輩たちがかなり気を遣っていたイメージだけが今残っている。
何かのイベントで辛いものを食うやつをやった時に〝誰が食えるか?〟みたいな競馬やらされたときにはさすがにムカついたが優勝した。
店にある辛味なんぞスーパーで買えるやつなんで私的には余裕だった。
生活できないで好きでもない女のヒモになって
〝何がしたいのか?〟と自問自答していた私はその店の頭であったカールさんに言った。
「これ、俺が勝ったら10万円下さい」
カールさんは私が住むとこ無くて困ってるので店に住ましてくれたしスーツもくれた。
仕事中は凄くバカに対応する王子をやってたけど
電車で帰る姿は普通の男だった。
今思えばカールさんは私が辞めるのを感じていたと思います。
嬢はどっちが勝つかと発破し、
「負けたらテキーラショットやな!」と盛り上がる。
結果、カールさんは馴染みの客に甘え、
「俺負けたけどテキーラみんなでどう?」とまとめた。
腕を組んでのテキーラは店の本当の売り上げって感じでは無い。
私はカールさんが駅に行く画像を忘れられない。
実際、実家に帰って介護士になった。
もし、あの時、カールさんがホストにしかなれなかったのなら?
人間は自分以上の事は想像し難い。
オッサンになってわかるが、多分、私は、あの時に、〝助けられた〟のだ。
私は誰かに救われ生きている感覚を50過ぎてやっとわかったアホなのだ。
そんな奴の話を読んでくれてすまん。
後、私的辛味の最高は銀座デリーのカレーだよ。
