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簡単な統計数値から高等教育ビジネスの市場基盤を考えてみた。

2000年から2024年にかけ、18歳人口推移と、大学院・大学・短大・専門学校の各機関への進学率データを集めてみた。

1.18歳人口推移と進学率


ざっくりと眺めてみる。
高等教育機関進学率は2024年時点で85%(2000年時点では70%)。
大学進学率は2024年時点で60%(2000年時点では40%)。
18歳人口は151万人から106万人へと、約1/3水準減少した。

文部科学省「学校基本調査」を基に筆者作成

2.高等教育機関別入学実数の推計


次に、進学実数の推計を試みた。例えば、大学の場合、進学率の計算には、3年前の中学校卒業者数を分母においたり、特別支援学校の生徒数を組み入れるか否かといった問題がある。本記事では、とりあえず、当年度の18歳人口に各機関(大学・短大等)別進学率を乗じて、進学実数を推計した。

 なお、大学院進学者は、大学進学者とダブルカウントされている(高校を卒業してすぐに大学院に進学する者はなく、必ず大学を経由するということ)。したがって、大学進学者+短大進学者+専門学校進学者が高等教育機関進学者数とほぼ一致する点、ご認識いただきたい。

文部科学省「学校基本調査」を基に筆者作成

 2000年から2024年にかけた、四半世紀ベースで見ると、短大進学率の減少が大きい事がわかる。短大進学率は、この期間、CAGR(年平均成長率)で-6.5%減少し続けていることになる。
 ただ、高等教育機関進学率は0.8%、大学進学率は1.7%、専門学校進学率は1.0%と軒並み進学率が伸びている。この四半世紀は、「18歳人口の減少を進学率の向上が補ってきたフェーズ」ということができるだろう。

  • 大学進学者は微増から横ばいへ推移

  • 短大は大幅減(2000年21万人→2024年3万人)

  • 専門学校は一時期増加後、2020年代以降減少傾向
    (2000年25万人→2007年30万人 2020年28万人→2024年23万人)

  • 大学院は微減

3.進学実数予測(向こう15年)

さて、これらを踏まえて、ここから15年の高等教育機関進学者数はどのように推移するだろうか。経済情勢や社会情勢によって変動はあるが、「18歳人口の減少を進学率の向上が補ってきたフェーズ」は一段落し、「残されたパイをどのように奪い合うか、または、新たなマーケットをどう開拓するかが問われるフェーズ」に入ってくると思われる。

文部科学省「学校基本調査」を基に筆者作成

年平均成長率傾向値でみると、おそらく、大学はほぼ横ばい推移、短大はほぼ消滅となる。専門学校は直近5年程度の減少幅が大きいことが気がかりだが、ここから15年で1万人程度減少する市場だと思われる。

4.Next Step

高等教育機関の進学率は85%水準まで来ており、残りの15%を取りに行く戦略も考えづらい。一方で、向こう15年の市場規模は微減傾向を継続するものと思われ、急な落ち込みも考えにくい。

本記事では、教育ビジネスにおけるN数を統計的視点から見てきた。このN数を前提にして、ここから先は、以下のような要素が勝敗を分けるのではないかと思われる。

  1. 社会人・外国人・オンライン聴講を含めた新たなN数(市場)の獲得

  2. 単価の向上に資するプログラム・コンテンツの開発

  3. ブランド・付加価値の創造

  4. 教育活動外収入の確立

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