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税理士事務所のお仕事#3 税理士事務所はサービス業でした

※本記事は、実際に筆者が体験した出来事をもとにした
エピソードエッセイです。
登場人物の名前は仮名であり、特定の個人や団体を
非難する目的は一切ありません。
 
 
「税理士事務所=サービス業」と知ったとき
思わず「えっ?」と声が出そうになりました。
なぜなら、当時の私のまわりには“サービス”とは程遠い対応をする
クセ強な先輩が・・・。
第3話は、そんな衝撃の電話対応と、私が学んだ「サービス」のお話です。
 
 
アンケートなどで、よく「業種」を選ぶ欄がありますよね?
税理士事務所に転職したばかりの頃、私はその業種が
何なのか分からず「その他」を選んでいたことがありました。
ネット検索をしてみたら、なんと「サービス業」と表示されていて
「サービス業!?」と驚きました。
なぜかというと・・・。
第2話でご紹介した、ラジオ大好き椎名さんの“最強電話対応”が
あったからです。
 
電話番だった椎名さんの対応が衝撃的すぎました。
ここに椎名さんの電話対応の特徴を簡単にご紹介します。

  1. 電話に出ても、事務所名も自分の名前も名乗りません。第一声は「はい」のみ。

  2. お客様を名前で呼びません。「あんた」と呼びます。

  3. 担当者不在時でも「こちらから折り返します」と絶対に言いません。
     →代わりに「用があるなら、また電話しなさいよ」と伝えます。

大げさではなく、本当にこんな感じだったんです・・・。
来所されたお客様への対応も、かなりの“塩対応”。
とても客商売とは思えない対応です(汗)
 
当然ながら
「怖くて電話しにくいです・・・。」というクレームも
かなりの件数あったようです(そりゃそうだ・・・)。
 
確定申告がひと段落したある日の会議。
反省会を兼ねた場で、代表がポツリとひと言。
「電話、Kokorohaさんが取って。」
えっ!?なんで私???
入所してまだ1ヶ月半、業務にも不慣れで確定申告の戦力にも
なれなかった私に断る選択肢などあるはずもなく・・・。
翌日から、電話対応業務がスタートしました。
 
多くのお客様は、社名やお名前を聞き返しても、丁寧にゆっくり言い直してくださる優しい方ばかり。
・・・ですが、一部のお客様にはかなり苦戦しました。
なぜかというと、社名も名前も名乗ってくれないんです。
電話口でいきなり、
「〇〇先生いる?」と。
「恐れ入りますが、お名前を伺えますか?」と尋ねても、
「いるの?いないの?」と返されるばかり。
まるで椎名さんと同じ対応……(汗)
 
担当者が事務所にいれば
「〇〇さん宛てに年配の男性からお電話ですが、お名前は名乗っていただけませんでした」
と伝え、電話を代わってもらうことができます。
しかし、問題は担当者が不在のとき。
伝言メモを残したくても、誰からの電話か分からないので──
「〇時〇分ごろお電話がありました。
お名前は名乗っていただけませんでしたが、中年の女性でした。
どなたか心当たりがあれば、折り返しご連絡をお願いします。」
・・・という、謎の伝言になってしまうのです。
 
「ディスプレイに表示された電話番号をメモすればいいじゃん」と
思いますよね?
ところが当時使用していた電話機、なぜか着信番号が表示されない
“ダメ機種”だったのです・・・。
 
ここまで思い返してみて、ふと気づきました。
もしかして椎名さん・・・
こういう“名乗らないお客様”に日々対応していて、あの態度になってしまったのかも・・・?
そう考えると、少しだけ、ほんの少しだけですが、気持ちが分かるような気がしました。
 
当時は「怖くて電話できない」と言われるほどの電話応対でも
長年続いていたことに、逆に驚いていました。
税理士事務所は、意外と“外からは見えにくい世界”。
その中でどう動くか、どう学ぶかによって
自分の引き出しが一つずつ増えていきました。
税理士事務所の仕事は、数字を扱うだけでなく「人」との対応も
大きな仕事。
だからこそ「サービス業」なんだと実感したのです。
クセの強い人も多いけど、クセの強い“状況”にも自分の心を鍛えられる。
それが、税理士事務所というちょっと変わった職場のリアルだったのでした。


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